この後またブレイクアウトルーム(小部屋)にわかれて、「明日から何を楽しくやり続けますか?」というテーマの他、これまでのお話から感じたことや気づいたことを自由に語り合いました。
参加者からは、以下のような意見や感想がありました。
対話の後は、参加者からの質問も交えた全体セッションが行われました。
参加者1:
マレーシアに住んでいますが、マレーシアやインドネシアではヘイズ(焼畑農業などにより発生した煙が原因の大気汚染)の問題が深刻です。パーム油をつくるために木を焼くのですが、VUILDの技術で木を有効活用できるのであれば木を燃やす量が減るのでは?と思いました。
井上:
インドネシアで働いていたのでヘイズを体験したことがありますが、ヘイズ問題をVUILDの技術で直接解決するのは難しいと思います。現地にいて、とても根深い問題だと感じました。
ただ、海外から大きな資本が入っているために木を焼かざるを得ない状況になっていることに、自分たちでものをつくる体験を通じて、問題に気づいてもらうことはできると思います。インドネシアにはいつかまた行きたいと思っています。
参加者2:
井上さんのお話を聞いて、まさに自分がやりたかったことを実現されている方がいた!という感動でいっぱいです。学生時代から里山保全の活動をしていて林業に興味があり、デジタルやITで林業の問題を解決したいと思い、そちらの道に進みました。しかし具体的に何もできずモヤモヤと過ごしています。林業の現場にいる中で、どうしてそこまでかっこいい建築物ができるソリューションをつくることができたのでしょうか?
井上:
僕はずっと森が好きで、地域や森林、自然が抱えている課題を身をもって実感しているのですが、僕のような林業の専門家や技術者がいくら頑張っても、かっこいいものはつくれないんですよね。
一方で、VUILD代表の秋吉のようなデザインや建築分野の人たちは「かっこいいものをつくりたい」と思いと技術はあっても、それと社会が抱えている課題をどう結びつけるのかを知りません。そんな二人が出会ってVUILDがあります。なので、専門分野ごとに孤立するのではなく、会社や組織を超えて一緒に動くと新しい価値の想像や挑戦ができるのでは?と感じています。
参加者3:
日本には森林がたくさんあるのに、海外に比べて有効活用できてないと感じています。国にもっと動いてほしいと思います。
井上:
国も動いてはいますが…国が動いている方向と僕たちが動かしたい方向がちょっと違うんですよね。国には大義名分が必要なので仕方ないですが、大きな動きに巻き込まれると自分たちが大事にしようとしている小さな動きがやりにくくなるジレンマがあります。なので、国には動きすぎないでもらいたいと思う時もあります(笑)。