栃木県立博物館で「外来生物」テーマに企画展 恩恵・悪影響など多面的に紹介

  • 2025年5月7日
  • みんなの経済新聞ネットワーク

 栃木県立博物館(宇都宮市睦町)で現在、企画展「外来生物・人によって運ばれた生き物たちからのメッセージ」が開催されている。(宇都宮経済新聞)

 展示の様子2

 「外来生物」とは、元はその地域にいなかったが、「人の活動により」他地域から持ち込まれた生き物のこと。同展では5つのパートに分け、剥製や標本約200点、写真パネル約100点を展示している。

 プロローグでは過去から現在にかけ、どのような生き物がどのように日本に移動してきたのかを紹介し、第1章「外来生物ってなに」では麻や蚕、人が日頃から口にしている米や野菜などを展示し、「衣」「食」「住」における外来生物からの恩恵を示している。

 「外来生物がもたらす悪影響」と題した第2章では、猫やヒアリ、アメリカオニアザミなどの標本を展示し、人の体、産業、生態系への悪影響を説く。

 第3章「とちぎの外来生物」では宇都宮市内で捕らえられた、首が腕ほどもあるカミツキガメやオオクチバスなどの剥製も展示し、栃木県の外来生物について、その特徴や影響、対策を紹介。併せて、近県で確認され、これから栃木県内に入ってくると予想されるキョン(柴犬くらいの大きさのシカの仲間)やマスクラット(ネズミの仲間)の剥製、水面を埋め尽くすほど繁茂する水草のナガエツルノゲイトウの標本も展示している。

 最後のエピローグでは、恩恵にも脅威にもなる外来生物との付き合い方を説いている。

 同館学芸部自然課主任研究員の南谷幸雄さんは「『外来生物イコール悪』ではない。別の地域から連れてこられて生きているだけで、その場所で外来生物が何かの問題になる場合には駆除される。そんな不幸なことが起きないよう、必要以上に外来生物を増やしたり、広げたりしないことが大切」と話す。

 今回展示する第3章「とちぎの外来生物」の一部は7月19日から開催予定のテーマ展「どーしたもんだろう とちぎの外来生物」でも展示する。

 開館時間は9時30分~17時。月曜休館。観覧料は一般260円ほか。6月15日まで。

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