会場:地球から出て、宇宙の工場で生産するといった発想ないのでしょうか。
牧:宇宙ステーションでの研究のように、無重力状態だからこそ開発できる素晴らしい素材を宇宙で生産して、地上に降ろして利用するということが考えられると思います。また、地球以外の天体の資源を使って宇宙で開発するという発想もありますね。月の資源を使って、宇宙工場で組み立てる。月は重力が1/6なので、衛星も打ち上げやすいなど、ワクワクするようなことも考えられると思います。
森:ちなみに、牧さんは、冒頭の「地球に住めなくなったらどうしますか?」という問いになんと答えましたか?
牧:「地下にもぐる」をえらびました。真面目に考えてみると、あんな過酷な宇宙空間で現実的に暮らしていけるという技術は、まだ出来ていません。安全なレベルまで達したら、宇宙に出るという選択を選びたいと思います。
全体共有と振り返りを終え、ゲストの牧さんから「こういったスタイルで、みなさんの中に入って話し合うというのは初めての経験で緊張しましたが、こちらから一方的に話すだけではなく、いろいろな方が積極的に話しかけてくれて、こちらが投げかけたことに反応を返してくれることを嬉しく思いました」とコメントがありました。皆さんの発想は新鮮で、今後の研究のヒントになりそうです」と感想がありました。JAXAは毎年、施設を特別公開しているので、実際に訪れて研究に直に触れてみるのも楽しいですよ。
JAXA相模原キャンパス特別公開2015:2015年7月24日(金)・25日(土)開催
緑のgooの櫻庭さんからは「今回は宇宙という大きな視点で、何十年も先の時間軸のことを話し合いました。こういった技術を実現させたり、社会の選択肢を広げた未来のためには、研究者や経済学者といった一部の専門家の方々の努力だけではなく、私たちひとり一人の意識や理解を広げ深めていくことも必須なのだと学びました」
J-POWERの藤木さんからは、「エコとエネのバランスを考えるとき、イマジネーションの想像と、クリエーションの創造の両方が必要と言われています。ぜひ牧さんには、その二つをいかして、優れた芸術家・研究者として二十一世紀のレオナルド・ダヴィンチになっていただきたいですね」との言葉がありました。