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第4回 「江戸時代のエネルギー事情」石川 英輔 氏

  • 2010年10月28日
  • 緑のgoo編集部
J-POWER エコ×エネ・カフェ

ゲストトーク:「江戸時代のエネルギー事情」

今回のゲストは江戸時代のエネルギー事情について研究している石川英輔さん。「短い時間では詳しくは話せないので、今回は私がなぜ江戸について研究しているか、という視点からお話します」。エコ×エネ・カフェ当日に77歳の誕生日を迎えたと笑顔で語るパワフルな石川さんの、切れ味のいいトークのスタートです。

歯切れのよいトークが評判のゲストの石川英輔さん
歯切れのよいトークが評判のゲストの石川英輔さん
歯切れのよいトークが評判のゲストの石川英輔さん

環境先進国から学ぶ?

日本人は環境先進国ドイツから学ぼう、あるいは北欧から学ぼうとすぐいいますが、考えてみてください。例えばスウェーデンは人口900万弱、山も少ない広い平坦な国です。日本はというと、狭い国土にたくさんの山があり、人が暮らすことのできる20%程の土地に1億2千万人もの人が暮らしている。そして国土の70%が森林に覆われています。これだけ環境が違う土地に暮らしているのに、よそのものをそのまま持ってきて、真似をして取り入れようとしてもうまくいくわけがない。それよりも自分たちの暮らす土地のことを知り、日本にあったエコな暮らしを考えることが大切だと思います。

江戸は遠い「昔話」ではない

皆さんは江戸というと大昔のことのように感じるかもしれませんが、実はそうでもありません。私は東京の中野区に小さなころからずっと暮らしていますが、昭和20年代にはテレビも電話もほとんど無かった。「テレビが欲しい?」と聞かれても、見たこともないものを欲しいかどうかなんて答えようがない、そういう時代でした。写真家の仕事をしていた時には国内各地を訪れていましたが、ほんの50年前までは都心から少し離れた地方は江戸時代さながらの生活が当たり前のように残っていた。お米を炊くためのお金を払って宿に泊まったり、発電機付きの電話なんてものがあったり。本当に素朴な暮らしがあったのです。これが西欧的な暮らしを取り入れ、便利さを追求するなかでどんどんと失われていき、同時に環境問題も深刻化していきました。

熱心に話を聞く参加者
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