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第2回 「新エネルギーで世界を変える」速水 浩平 氏

  • 2010年1月21日
  • 緑のgoo編集部
J-POWER エコ×エネ・カフェ
エコ×エネ・対談
藤木さんの質問に応える速水さん
藤木さんの質問に応える速水さん

速水さんから音力発電の概要を伺った後はJ-POWER藤木さんによる、速水さんとの対談セッションです。
ここからは、藤木さんによるインタビュー方式で会話が展開されました。

藤木さん:
「音力発電というアイデアは、小学校の頃からお持ちだったそうですね」

速水さん:
「小学校4年生の頃に、モーターと発電機の仕組み(発電すればモーターが回り、モーターが回れば発電する)を習った時に、同じようなことがスピーカーでもいえるのではないかと考えついたことが、この技術を生み出すきっかけです。大学で研究を始めた当初は『音から発電するなんて無理だ』と言われ続けてきましたが、自分がずっと信じてきたことですし、誰も成功させていないなら逆に絶対に成功させたいと考え、試行錯誤を重ねてきました」

藤木さん:
「音力発電はいろいろな場所での活用が想定されているようですが、安いコストでの導入は可能なのでしょうか?」

速水さん:
「はい。現時点の予測では、将来的に量産が進めば、発電床も普通のOAフロアなどの床材の1.5倍程度の価格で提供できるようになると考えられています。一般家庭に導入できる技術として普及していけばいいなと思っています」

藤木さん:
「揺れや周波数にはいろいろなものがありますが、一つのタイプの圧電素子で、すべて対応できるのですか?」

速水さん:
「基本的には、振動や動きがあるものであれば、どんなものでも対応可能です。日常生活で生まれる小さな振動から発電することに着目して研究を続けてきましたので、結果として発電感度がとてもいい技術が開発できました」

藤木さん:
「自然エネルギーは通常、太陽や風を利用しますが、気象の条件により発電する量が変わってくるという弱みがあります。火力発電所、原子力発電所等の大きな電源が電力の安定供給を支えています。速水さんの振動発電は人の営みによる発電。予測可能なところがあるので、これまで考えられていた新エネルギーとは違う、新たな可能性があるように感じますね」

速水さん:
「ありがとうございます。「発電床(R)」は人の日常に溶け込む発電ですので、ある程度の発電量が予測でき、かつ、エコであるというのが特徴といえます。駅や空港など、人が沢山通る場所に置くことで、有効に活用いただけるのではと思っています」

藤木さん:
「将来、音力発電の普及が進むと、どのような未来が訪れるとイメージしていますか」

速水さん:
「ひと言でいうと『発電する街』のようなものができる可能性もあるのではないかと思っています。その中でも、特に技術の特徴を活かした使い方から広げていくことが大切です。簡単に導入できる小さなところから徐々に普及して、いろいろな人に使われていく技術になればいいと思いますね」

藤木さんと速水さんの対談にひきこまれる参加者たち
藤木さんと速水さんの対談にひきこまれる参加者たち

藤木さんと速水さんの対談にひきこまれる参加者たち

新エネルギーの可能性について、異なる立場から取り組んでいるお二人の興味深い話に、会場からさっそく質問が投げかけられました。

参加者:
「音力発電を行うと、もともとそこにあった音や振動は吸収されてなくなってしまうのでしょうか?」

速水さん:
「そうですね。振動や音を吸収することで電気に変えるという仕組みですので、吸収された振動は弱くなるという副次的な効果が生じます。例えば、高速道路の防音壁につけることで発電するというアイデアですが、これはもともとあった防音・遮音の機能を高めるついでに発電も出来るという発想によるものです」

参加者:
「大地震が起きた時に、そのエネルギーを吸収して発電することは出来ますか?」

速水さん:
「原理的には地震のエネルギーを吸収して発電することは可能ですが、地震は予測が難しいので、現実的には厳しいかもしれません」

参加者からは質問が殺到
参加者からは質問が殺到

参加者からは質問が殺到

社会に役立つ技術を
和やかな雰囲気のもと対談が展開されました
和やかな雰囲気のもと対談が展開されました

「アメリカでは、若い経営者が会社を起こして売却することで大儲けするという話もよく聞きますが、そんな誘惑にかられることはないですか(笑)」。

森さんからのコメントに、「お金を儲けることも大切ですが、人から感謝されればそれなりの成果としてお金は後からついてくるものだと思っています。好きだから始めたことなので、やり甲斐をもち、ずっと取り組んでいきたいです」と笑顔でこたえる速水さん。
将来的には音力発電や振動力発電が、太陽光や風力に次ぐエネルギーとして普及していくことを期待しているそうです。

「ベンチャーをやっていると大変な苦労も多いですが、自分の好きなことを追求し、そのことで人から感謝していただくことにとても強いモチベーションを感じています。特に若い方には、自分の信じることには是非、積極的にチャレンジしてほしいと思っています」。
速水さんの言葉に、参加者全員が大きな勇気をいただいたようです。

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