速水さんは現在28歳。慶応義塾環境情報学部を卒業後、同校政策メディア研究科に在籍中に「株式会社 音力発電」を設立しました。
「せっかくですので、まずはデモ機をご覧いただこうと思います」。速水さんが手にしたのは「発電床(R)」のデモ。床の上を人が歩いたり飛び跳ねたりすることで生じる衝動をもとに発電を行なう技術です。
圧電素子を使うことにより、振動を電気に変換する仕組みで発電しているという速水さんの開発した技術。
例えば「振力電池(R)」をリモコンに応用すると、リモコンを押した時に生じる振動で発電することが可能になります。首都高速道路では、橋の裏側に「振子型振動力発電機」をつけて、車の通行によって生じる、振動を利用した発電実験を行っているそうです。
また、ユニークな試みとしては、イルミネーション会場に集まった人たちが起こす振動をもとに発電する「参加型イルミネーション」という企画を展開。これは電力を無駄にすることのない新しいタイプのイルミネーションとして注目を集めています。
他にも沢山の実証実験が各地で展開されているとのこと。実用化に向け、企業や研究機関からとても高い関心を集めているそうです。
「私たちが一番重要だと考えているのは、日常生活で無意識に発生している音や振動から発電を行なうということ。こうして作られる一つ一つのエネルギーはとても小さいですが、集めればそれなりの量のエネルギーが発電でき、エコ社会の実現に貢献できる可能性も大きいのではないかと考えています」。
人間の日常の生活からエネルギーを作りだす。その斬新な発想に、参加者の皆さんも刺激を受けた様子でした。