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C.W.ニコル・アファンの森財団×緑のgoo(2) たった一人の外国人が日本の森を救った!「C.W.ニコルとアファンの森の物語」

  • 2021年12月24日
  • アファンの森財団

アファンの森の誕生


 今から36年前に自身の収入のほとんどを使って、移住した長野県で放置されていた里山を購入し、森の再生活動を始めました。
 当時は森を再生した事例はほとんどなく、手探りの毎日でした。長年放置されていた森は藪と化し暗かった。ニコルはまず、病気や育ちの悪い木を選んで伐採し、笹や下草を刈って森全体へ日光が射すようにしました。

 すると花が咲くようになり、昆虫もやってきて、それを狙って鳥も戻ってきました。鳥の糞から新しい植物が芽吹き、森の自然サイクルが動きだしました。
 三十数年の時をかけて、幽霊森と呼ばれていた場所は、様々な生き物が暮らす多様性豊かな森へとよみがえりました。現在では、生態系の頂点であるクマやフクロウなどと共に絶滅危惧種が60種生息するまでに成長しています。

 森の名は「アファン」。生れ故郷ウエールズにある炭鉱跡地のボタ山を人々の努力で森を復活させた国立アファン森林公園からもらいました。
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▲アファンの森の手入れ前と後の写真

永遠の森へ


 一人の無名の英国人が日本に来て、人生と私財をすべて投じて森を再生する。世界において、こういうことを成し遂げた事例は他にはないと思います。
 しかし残念なことに、一昨年ニコルは79歳で急逝しました。

「アファンの森は、未来への希望だ。私がこの世を去ったあとも残り、たくさんの子どもたちがアファンの森で遊んでくれるだろう。ツキノワグマ、フクロウ、ヤマネ、ツチガエルなどの動物たちも森で暮らしてくれるに違いない。それを考えると、体の底から喜びが湧いてくる。心の声に従い、自然の摂理に学んで、この森をつくったことは、私の生涯で最も誇るべきことだ」

 このニコルの「アファンの森」を未来へ語り継ぐことは、気候変動の影響がますます大きくなり、自然環境の重要さを再認識する必要がある今日、日本のみならず世界の人々にとって、自然再生の大切さを知る重要な場所になると確信しています。
 そして、国境や人種を越えた友情の物語を伝える森としても…
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▲アファンの森・上空からの写真

「アファンの森デジタル案内」企画について


 現在、アファンの森をデジタルでご案内する企画が進んでいます。
今までは財団のスタッフが直接お客様(会員)を森へご案内しておりました。ですので対応できる回数がごく限られてしまい、お客様にはご不自由をお掛けしていました。

 このデジタル案内(*1.BlueOcean&Company株式会社提供 *2.TimePocketアプリ)は、スタッフがいなくても自分で自由にタブレットを持って森を散策することができます。
 森の中の決められたポイントごとに、最新デジタル技術【ARを活用した3Dアバターが登場致します。】プログラムを活用しその場所の自然解説を見たり、聞いたり、学ぶ事ができるというシステムです。

 少し想像をしてみて下さい。もし、宮沢賢治が現代にいて、あの花巻の森やイギリス海岸を案内してくれたらどんなにステキだろう…
「森の生活」を書いた森の哲学者ソローがウオールデンの森を案内してくれたら、どういう話をするだろう…
 もし未来にアファンの森を訪れた人を、この森を作ったニコルが案内したらきっと喜んでくれるに違いない、そう思って企画しました。

 もちろん、残念なことにニコルはこの世におりません。しかし、スタッフはこれまで何度もニコルと一緒に森を歩いてきました。ニコルが歩くルートや、それぞれの場所への想いはスタッフに受け継がれています。

 今回、それをデジタル案内というカタチで再現し、ニコルの代わりに森の妖精「キコル」【*3.AR3Dアバター】というキャラクターがご案内します。
 デジタル案内の最後のポイントは、ニコルが眠っているメモリアルストーン(記念碑)です。その傍らにはニコルが「マザーツリー」と呼び愛したナラノキそびえ立ち、最後に皆さんに語りかけます。マザーツリーの声は、ニコルの親友だった歌手の加藤登紀子さんが演じて下さいました。皆さんもぜひ、ニコルが愛情をこめて育んだアファンの森で「デジタル案内」を体験して下さい。ニコルとキコルが待っていますよ。

*1 BlueOcean&Company株式会社(https://www.blueoceancompany.co.jp
*2 TimePocketとは 特許第6651146号「未来型データの個別閲覧システム」を活用した過去と今、未来を紡ぐプラットホームサービス
*3 ARとは「Augmented Reality」の略で「拡張現実」と訳される。実在する風景にバーチャルの視覚情報を重ねて表示する事で、目の前にある世界を仮想的に拡張するということ。

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