サイト内
ウェブ

「循環資源」 詳細解説

読み:
じゅんかんしげん
英名:
Recyclable Resources

わが国の廃棄物・リサイクル政策は、清掃法が廃棄物処理法へと全面的に改められて以来、同法の度重なる改正や、容器包装リサイクル法をはじめとする各種リサイクル法の整備などにより充実が図られてきた。しかし、高度経済成長期を過ぎてからも廃棄物の発生量は高い水準で推移し、不法投棄が増大した。こうした問題を根本的に解決するには、物を大量に生産し、消費し、廃棄するという従来型の経済社会から脱却しなければならない。そのためには、発生抑制の取り組みはもちろん、生産などの過程で発生した物を「廃棄物」ではなく「資源」ととらえて、リユースやリサイクルなどの手法により循環利用していくことが必要だ。

社会を循環型のものにしていくために、2000年に「循環型社会形成推進基本法」が制定、公布された。同法は、法の対象となる物を価値のあるなしにかかわらず「廃棄物等」とし、このうちまだ使える、役に立つ物を「循環資源」と定義。循環資源の利用を促進することを目指すとともに、資源の循環的な利用の種類を優先度順に、1) 再使用、2) 再生利用、3) 熱回収―と定めた。さらに、循環資源の循環的な利用と処分に当たっては、環境保全に配慮すべきであるとしている。こうした原則に則って、事業者は廃棄物の発生抑制に取り組み、原材料などが循環資源となった場合は適正に利用し、利用できない場合は自らの責任で処分する責務を負う。

循環資源といっても、その種類や用途はさまざまだ。国内で発生する循環資源の中で最も量が多いのが、汚泥や生ゴミなどのバイオマス系だ。廃棄物等発生量全体の半分以上を占め、肥料・飼料や発電燃料などに利用される。このほかにも、建設副産物やスラグなどは建設資材に、廃プラスチック製品は鉄鋼業での還元剤に利用されている。同法に基づき2008年に策定された「第2次循環型社会形成推進基本計画」では、資源の循環利用率を2015年までに約14〜15%にするという目標が掲げられた。2006年度の実績は12.5%で、年々上昇している。

国内で循環資源の利用が進む一方で、日本から中国などアジア地域へ循環資源が大量に流出している。その輸出量は1990年代以降年々増加し、有害廃棄物の越境移動につながっているという指摘もある。環境省は、アジアの途上国でも3Rを推進していくために「アジア3R推進フォーラム」を、各国政府や国連などの国際機関と協力して設立した。循環資源の利用を含めたアジアにおける3Rのあり方について、意見・情報交換やネットワーク化などに力を入れている。

キーワードからさがす

gooIDで新規登録・ログイン

ログインして問題を解くと自然保護ポイントが
たまって環境に貢献できます。