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「省エネ住宅」 詳細解説

読み:
しょうえねじゅうたく
英名:
Energy Saving House

"日本では、2005年度の家庭部門における二酸化炭素(CO2)排出量が、1990年に比べて4割近く増えた。家庭におけるエネルギー消費の中では冷暖房と給湯の割合が大きく、4分の1以上が冷暖房に使われている。このため、住まいを省エネ性能の高い「省エネ住宅」などのエコハウスにすることが、地球温暖化対策として注目されている。省エネ住宅には、新築時からエコハウスをめざして建てる場合と、従来から住んでいる家を省エネタイプのものに改築(リフォーム)する場合がある。いずれの場合でも重要なのが、主な熱の出入口に断熱対策を施すことだ。日本の住宅は、北海道などの寒冷地を除くと、欧州に比べて断熱対策が進んでいなかった。しかし、夏の冷房時に流入する熱の約7割、冬の暖房時に流出する熱の約6割がドアや窓などの開口部を経由しているといわれており、住宅に断熱を施して空気の出入りを防ぎ、冷暖房にかかるエネルギーを少なくすることが、省エネ住宅実現の第一歩だ。

住宅の省エネに関する基準としては、エネルギーの使用の合理化に関する法律(省エネ法)に基づく省エネルギー基準がある。同基準に適合する住宅に対しては、住宅金融支援機構が金利の優遇や割増融資などの措置を行っている。とくに、1999年に強化された「次世代省エネルギー基準」を満たすと、割増融資額が一戸あたり250万円と一般型の倍以上になる。次世代省エネルギー基準では、1) 断熱性、2) 気密性、3) 結露防止などに関する基準がそれぞれ強化されている。同機構によると、省エネ住宅にするためには、次のポイントをおさえる必要がある。1) 断熱材で住宅をおおい熱の移動を少なくする、2) 断熱性の高いドアや窓を使う、3) すき間をなくして気密性を高める、4) 換気計画をきちんと立てる、5) 結露を防止する。具体的には、地域により必要な厚さの断熱材を使うことや、ドアや窓への複層ガラスや二重サッシの採用、気密シートやテープの使用、換気設備の設置などが効果的だ。また、住宅の種類が木造や鉄骨造か、鉄筋コンクリート造かなどによっても施工法は異なる。

国土交通省などの資料によると、住宅の性能をわかりやすく表示した「住宅性能表示制度」をもとに割り出した住宅の省エネ基準適合率は、2000年度の13.4%から2005年度には30.3%にまで向上した。また、2008年に改正された省エネ法では、1) 省エネ措置届出の義務対象を一定の中小規模の住宅にまで拡大、2) 大規模な住宅に関する担保措置の強化、3) 住宅を建築・販売する事業者に対する省エネ性能向上を促す措置の導入、4) 住宅に関する省エネ性能表示の推進など、住宅の省エネ化を後押しする規定が盛り込まれた(一部を除いて2009年度より施行)。こうした動向を受けて政府は、2008年3月に改定した京都議定書目標達成計画の中で、新築住宅における省エネ判断基準の適合率を2010年度に66%まで上げる目標を掲げている。

一方、環境省は、省エネ住宅や省CO2性能の高いエコ住宅(エコハウス)などの普及にはずみをつけるため、「エコ住宅普及促進事業」を2008年度から開始した。この事業は、一般の住宅でリフォームが行われる際に断熱性能の高い窓や断熱材などを導入しやすいように、リフォーム業界や部材業界、地球温暖化対策地域協議会などからなる共同体を設立。地域性や経済性を考慮した「エコリフォーム」の手法をガイドブックとしてまとめるなど、さまざまな活動を行っていくとしている。実施主体は(財)日本環境協会(全国地球温暖化防止活動推進センター)だ。

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