A: 日本でも、自然に恵まれた国立公園などの自然公園をコースに設定するトレイルランニング大会が開催されている。しかし、国立公園の魅力はその豊かな生態系と生物多様性、景観などにあり、そこを歩いて楽しむための歩道は整備されているものの、多くの人間が走り抜けることまでは想定していない。このため、特別保護地区などの植物が自生している場所や、湿原や高山植物群落などが踏み荒らされる危険性がある。また、小動物や鳥などの野生生物のすみかや移動経路を脅かす可能性もある。このため、国立公園にコース取りする場合には、環境省の通知を遵守するとともに、自然環境への影響を回避するよう最大限の配慮をしなくてはならない。
A: 環境省は、国立公園内におけるトレイルランニング大会などの取り扱いについての方針をまとめており、その別紙として、大会の主催者や参加者などが遵守すべきルールを、チェックリストとして示している。主催者による環境への配慮としては、地域特性を踏まえた参加者数の上限設定、スタート付近は自然環境への影響が少ない林道や農道とすること、トイレを適切な箇所に配置して適切に管理すること、靴底洗浄の徹底、希少野生動物の生息地を避けた応援場所の設定、監視員の配置などを示している。また、参加者や応援者によるゴミのもち帰りや、自然植生のある場所への踏み込み禁止などを求めている。