サイト内
ウェブ

「アクアリウム」 詳細解説

読み:
あくありうむ
英名:
Aquarium

魚や貝、エビ・カニなど水の中で生活する生き物を飼育して、観賞するためにつくられた水槽などの設備をアクアリウムという。また、水生生物の生態をたくさんの人に見せるために、多くの水槽を備えた水族館などの施設のことをアクアリウムと呼ぶ場合もある。日本で初めてできた水族館としてのアクアリウムは、1882年(明治15年)に東京の上野動物園内に設置された「観魚室」だ。その後、同じく東京の浅草に浅草公園水族館がオープンするなど、全国各地にアクアリウムができた。国内には大小合わせて約100の水族館があるといわれており、(社)日本動物園水族館協会には、2009年4月現在で67の水族館が会員として加盟している。

近年、国内のアクアリウムは大型化する傾向がみられる。たとえば、世界最大級のアクアリウムのひとつである三重県の鳥羽水族館では、水生生物が生息する環境に合わせて、館内を「コーラルリーフダイビング」「伊勢志摩の海・日本の海」「海獣の王国」「森の水辺」など10以上のゾーンに分けて展示。約850種の生き物を飼育している。また、沖縄県にある沖縄美ら海水族館は、太陽光と自然海水を利用した世界初のオープンシステム水槽により、生きたサンゴの大規模な飼育に成功。サンゴ礁のある浅瀬から深海まで、沖縄の海を体感できる工夫がこらされている。

このように、アクアリウムは海や河川、湖沼や池などの水中やその周辺にすむ生き物と、自然環境について学ぶことのできる教育文化施設として、社会に深く根付いている。また、さまざまな体験を楽しめる娯楽施設としても人気が高い。さらに、海洋汚染地球温暖化などの環境問題の進展に伴い、水と私たち人間とのかかわりを知ることのできる場所としての役割を果たしている。たとえば、山梨県にある山梨県立富士湧水の里水族館では、富士の湧水を使った「森の中の水族館」や、淡水魚がすむ川の環境を再現した展示、二重回遊水槽など、地元の自然がもつ魅力を味わうことができる。

一方、熱帯魚やカエルなどの水生生物を水槽の中で育て、観賞するアクアリウムを趣味として自宅で楽しむ人も増えている。アクアリウムの立ち上げにかかる費用が少なくなったことや、水生生物の流通量が増加したことなどが大きな理由だ。また、球形などさまざまな形をした水槽や容器の中で、観葉植物や小さな生き物を育てる「テラリウム」も人気を集めている。誰もが簡単にアクアリウムを楽しめるようになった半面、海外から輸入された熱帯魚やカメなどを捨ててしまう人も増えており、新たな外来生物問題につながる可能性もある。

キーワードからさがす

gooIDで新規登録・ログイン

ログインして問題を解くと自然保護ポイントが
たまって環境に貢献できます。