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「ホッキョクグマ」 Q&A解説

読み:
ほっきょくぐま
英名:
Polar Bear
  • Q: ホッキョクグマと地球温暖化との関係は?
    地球温暖化の進行によって、ホッキョクグマの生息状況が悪化しているそうだが、どのような関係があるのだろうか?

    A: ホッキョクグマは北極圏に住む大形の肉食動物だ。しかし、地球温暖化の影響により北極圏で海氷がなくなりつつあり、その住みかが狭まりつつある。また、ホッキョクグマは、海氷に開いた穴から息継ぎをするために顔を出すアザラシを捕まえて食べ脂肪として蓄えるが、海氷が少なくなってアザラシが獲れなくなっているため、ホッキョクグマの平均体重が減りつつあるという調査結果もある。こうした状況を受けて、IUCN(国際自然保護連合)は2006年5月に公表したレッドリスト(絶滅のおそれのある種のリスト)で、ホッキョクグマを危急種(VU)に指定した。一方、(独法)海洋研究開発機構などが2007年8月に公表した解析結果によると、北極海での海氷面積は観測史上最小を記録し、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が第4次報告書で予測した北極海での海氷の減少を大幅に上回っており、北極圏の海氷はますます危機的状況にある。ホッキョクグマなど野生生物の住みかを守るためにも、地球温暖化を防ぐ必要がある。

  • Q: ホッキョクグマの体から化学物質が見つかるのはなぜ?
    北極圏に住むホッキョクグマの体内から、人間がつくり出した化学物質が検出されるのはなぜだろうか?

    A: ホッキョクグマは、北極圏に生息する大形肉食動物で、アザラシなどを捕まえて食べ、脂肪として蓄える。しかし、ホッキョクグマなど海洋地域に住む生物の体から、PCBやDDTなどの残留性有機汚染物質(POPs)が検出され、大きな問題となっている。他の大陸で生活する人間がつくり出した化学物質が、北極に住むホッキョクグマなどの体内から見つかるのは「生物濃縮」を繰り返した結果だ。海などの自然環境に排出された化学物質は、小さなプランクトンの体内に入り、それを食べる小魚、小魚を食べるアザラシ、アザラシを食べるホッキョクグマという食物連鎖を経て、どんどん濃度を濃くしながら生物の体内、とくに脂肪分に蓄積されていく。ホッキョクグマは食物連鎖の頂点にいる生物のひとつであり、その生物濃縮の度合いは非常に高く、命にかかわる障害を引き起こす場合もある。POPsの国際規制を強化し、環境への放出を防止することで自然の生態系への影響をなくすため、2001年にストックホルム条約(残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約)が採択された。

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