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「省エネ家電」 詳細解説

読み:
しょうえねかでん
英名:
Energy-efficient Household Appliances

地球温暖化の防止に向けて、日本が京都議定書で約束した二酸化炭素(CO2)など温室効果ガスの6%削減目標を達成するためには、CO2排出量とエネルギー消費量が増加傾向にある家庭部門の省エネルギー対策を進めることが欠かせない。2006年度の温室効果ガス排出量をみると、家庭部門からの排出量が30%以上も増加している。2008年2月に中央環境審議会と産業構造審議会が出した「京都議定書目標達成計画の評価・見直しに関する最終報告」は、排出量の伸び続けている家庭部門と業務部門への対策の抜本的な強化が必要であると指摘している。家庭でのエネルギー消費を低くするには、テレビや電気冷蔵庫、エアコンなど家庭で使う電気器具や製品(家電製品)の使用に伴うエネルギー消費を抑えることが必要だが、日常生活において必要最低限のエネルギーを消費することは避けられない。

一方、家電製品の省エネ性能が近年、大きく向上していることから、省エネ型の家電製品、いわゆる「省エネ家電」の普及は、家庭部門の省エネ対策を進める上で有効だ。たとえば、エアコンの場合、1995年度製のものと2007年度製のものを比べると、買い替えにより約40%の省エネが実現できる。このため、省エネ家電の開発と普及に向けた取り組みが、官民あげて行われている。日本では、1979年に制定された「エネルギーの使用の合理化に関する法律」(以下「省エネ法」)に基づき、家電など機器のエネルギー消費効率を向上するための「トップランナー方式」が実施されている。市場で販売されている製品の中で最高のレベルを、エネルギー消費効率の基準とする仕組みだ。家電製品のうち、トップランナー方式で定める基準に達している省エネ家電かどうかについては、「省エネラベリング制度」に基づく「省エネラベル」の表示により判断できる。対象機器は、2007年2月現在、エアコン、冷蔵庫、テレビなど16品目だ。

また、2006年の省エネ法改正により、エネルギーを消費する家電製品などを販売している小売店に、製品の省エネ性能に関する情報提供が義務づけられたことを受けて、家電製品の省エネ情報を表示するための「多段階評価基準」制度が同年10月から始まった。エネルギー消費量が多い1) エアコン、2) テレビ、3) 冷蔵庫を対象とした制度だ。「統一省エネラベル」とも呼ばれ、製品の省エネ性能を5つ星から1つ星の5段階で表示。星の数が多いほど省エネ性能が高い。消費者が市場にある製品の中でどれが省エネ家電かを判断して購入できるようにするのが目的だ。全国省エネラベル協議会が、経済産業省資源エネルギー庁の委託を受けて、全国500店の家電店を対象として行った「統一省エネラベル表示状況調査」の中間報告によると、統一省エネラベルの表示率(速報値)は、冷蔵庫とエアコンで6割を超え、テレビは約5割だ。また、3品目とも大型店舗では表示が進んでいるが、中小店舗では4割程度にとどまっていることから、中小事業者への普及啓発が今後の課題だ。

2007年10月には、家電メーカー、家電小売業者、消費者団体などの連携により、省エネ家電の普及を促進することを目指す「省エネ家電普及促進フォーラム」が、経済産業、環境の両省の協力を受けて設立された。同フォーラム設立時の会員数は35事業者・団体で、うちメーカーが23、販売業者が10、消費者団体などが2となっている。具体的な活動内容は次の通り。1) 省エネ家電普及キャンペーンの実施、2) 省エネ家電に関する情報提供、3) 家庭の省エネ診断ツールの構築、4) 省エネコンテスト事業の共催。また、省エネ基準達成商品を販促用チラシに掲載したり、店頭でわかりやすく陳列したりするなど、同フォーラムに参加する企業や団体による取り組みも盛んに行われている。このほか、省エネ製品を積極的に販売したり、普及に力を入れたりしている販売業者は、(財)省エネルギーセンターにより「省エネ製品普及推進優良店」に認定される仕組みもある。

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