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「MSC」 詳細解説

英名:
Marine Stewardship Council

MSCとは、海洋管理協議会(Marine Stewardship Council)の略称だ。世界において水産物に対する需要が増える一方で、深刻な過剰漁獲が起きている。多くの種で資源が減少しつつある。MSCは、この過剰漁獲の問題に取り組み、持続可能な漁業を推進するため、世界的に活動する自然保護団体であるWWFと大手食品関連会社が1997年に立ち上げた組織だ。1999年に独立した非営利団体となった。漁業の方法に変化をもたらし、魚種資源の減少から増加への転換、水産物供給に従事する仕事の保護、世界的な海洋保全の改善などを目指して活動している。

MSCでは、漁業、資源保護、政府および専門家からなる国際的な委員会と協議し、第3者の独立認証機関による管理の優れた漁業を評価する環境規格を設けている。この規格は、2005年に国連食糧農業機関(FAO:Food and Agriculture Organization of the United Nations)が採用した「水産物エコラベルのガイドライン」に則っており、海の環境を保全しつつ天然の海産物の持続的な利用を実現するためのものである。この規格を満たした漁業から得られた水産製品には青く魚をかたどったロゴの使用を認めることにより、持続可能な水産物の消費者への浸透を図っていく取り組みを行っている。

その原則は、1) 過剰な漁獲を行わず、資源を枯渇させないこと、2) 資源が枯渇している場合は、回復できる場合のみ漁業を行うこと、3) 漁場となる海の生態系やその多様性、生産力を維持できる形で漁業を行うこと、4) 国際的、または国内、地域的なルールに則した漁業を行うこと、5) 持続的な資源利用ができる制度や社会的な体制をつくること―などだ。

MSCマークを使用する場合には、漁獲方法だけではなく、製品への加工・流通過程で非認証製品と混入することが無いことを証明するCoC(Chain of Custody)認証が必要となる。認証を取得しても、製品の包装、価格表、メニューなどにMSCラベルの使用を希望する場合、MSCマークの使用許諾契約を結ぶ必要がある。MSCは、このような資源・環境配慮型の漁業を認証する認証機関を世界各地で認定する役割を担っている。

2006年11月現在、米国アラスカのサケ漁業や、ニュージーランドのホキ漁業など世界各地の21の漁業が認証を取得し、450種類以上のMSCラベル製品が、アメリカ、イギリス、ドイツ、スイスなど世界25カ国で発売されている。日本の漁業では、2006年2月から京都府機船底曳網漁業連合会による底曳網漁(ズワイガニとアカガレイ)が、MSC認証を取得するため本審査を受けている。また、イオン株式会社は、2006年11月から全国の店舗で塩鮭や明太子など10品目の取り扱いを開始した。

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