サイト内
ウェブ

「環境家計簿」 詳細解説

読み:
かんきょうかけいぼ
英名:
Household Eco-Account Book

環境家計簿は、1980年に大阪大学の研究者などによって「新しい家計簿」の名称で家庭での環境負荷を下げる提案がされたことが始まりとされている。滋賀県大津生協では、この提案を受けて琵琶湖の汚染をなくすことを目標に、1981年に「くらしの点検表」を作成。これが最初の実用的な環境家計簿と言われている。その後1996年に、環境庁(現環境省)では地球温暖化防止の目的で環境家計簿を作成し、これを希望者に配布することなどによって環境家計簿の普及を図っていった。同時に「環境家計簿運動推進全国大会」を数回にわたって開催。このような取り組みもあって、自治体や企業、NPOなどがさまざまな環境家計簿を作成するようになった。また、インターネット上で入力できるものもある。

環境家計簿の基本的な構成は、家庭で使う電気、ガス、水道、ごみ、ガソリンなどの量にCO2排出係数を掛けてCO2の量に換算する形式のものが多く使われている。排出係数とは、電気やガスなどのエネルギーから、アルミ缶やペットボトルなどの製品にいたるまで、そのものがどれだけCO2を排出するかを計算したもの。たとえば電力の場合なら、1kWhの電力を発電する際に排出されるCO2排出量(kg)のことである。アルミ缶なら、1缶を製造するに当たってのCO2の排出量(kg)が係数になる。排出量の算定方法は、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)がガイドラインを定めており、その中で排出係数の標準的な値が示されている。しかし、日本ではこの標準値は必ずしも使用せず、排出実態にあった係数を試算して用いている。係数の値は、必要に応じて「温室効果ガス排出量算定方法検討会」で見直される。

環境家計簿の中には、CO2排出量を計算するだけでなく、自然とどのくらい触れ合っているかなど、生活環境チェックを含んだものもある。このように各家庭でのCO2排出量を算出することによって、消費者は数値で自分の家庭がどれだけ環境負荷をかけているかを知ることができ、無駄なエネルギー消費やごみの量などの削減に結びつけることができる。同時に、生活の無駄を省くことで、家計負担を減らすことができる。

また、環境省では、市民が家庭で楽しみながら「環境にやさしいくらし」に取り組めるよう、インターネットや教材・情報誌等を通して支援をする「我が家の環境大臣事業」を行っており、その中で入力式の環境家計簿と言うべき「Ecocho(えこ帳)」を公表している。

キーワードからさがす

gooIDで新規登録・ログイン

ログインして問題を解くと自然保護ポイントが
たまって環境に貢献できます。