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「グリーン・マーケット+(プラス)」 詳細解説

読み:
ぐりーんまーけっとぷらす
英名:
Green Market Plus

地球温暖化や廃棄物問題、生物多様性の保全など、現代社会が直面する環境問題は複雑化、多様化の度合いをいっそう深めている。その根本には、私たち人間の生活を豊かにするための、大量生産・大量消費・大量廃棄を前提とした生産や消費構造がある。環境問題を解決に導くためには、市場メカニズムをよりいっそう環境に配慮したものに組み替える「市場のグリーン化」を進めることにより、経済社会のあり方を持続可能なものへと変えていくことが必要だ。このような、市場のグリーン化をいっそう進めていくための取り組みのことを、「グリーン・マーケット+(プラス)」と呼ぶ。

環境省はこうした視点に立って、2011年5月に「グリーン・マーケット+(プラス)研究会」を設置した。同研究会は、市場において一定の基準を満たした環境配慮型の商品やサービスが普及、浸透していくことを「市場のグリーン化」と定義。環境に配慮したさまざまな商品やサービスについて、事業者の取り組みがどれだけ評価され、需要がどれだけ掘り起こされているかなどの観点から、市場のさらなるグリーン化に向けた既存施策の再評価と、関連施策を強化・充実する方向性を示すための検討を行った。そして、2012年1月に検討結果をまとめ、公表した。

それによると、個別の商品やサービス市場における、環境に配慮した商品・サービスの普及状況はまちまちだ。たとえば、グリーン購入法に適合している製品では、対象品目は拡大し、文具や家電など一部の品目で市場の9割を占める製品もある。一方、社会的責任投資(SRI)ファンドの本数や総額では、欧米に比べて規模がきわめて小さい。市場全体のグリーン化が必ずしも進んでいない原因として、事業者の多くが環境配慮による企業ブランドの向上を目指しているものの、環境への取り組みが企業への評価につながらず、意義や目的が薄れつつあることなどがあげられる。このため、より幅広い商品やサービスについて、環境配慮への取り組みを促す余地があると同研究会は指摘する。

一方、需要側の状況を見ると、消費者の環境配慮に対する意識について調査したところ、多くの人が詰め替え用商品を利用したりごみの分別に努力したりしているが、購入の段階で環境配慮を考える人は少ない。また、高収入層ほど市場のグリーン化に積極的な現状が明らかになっている。さらに、環境に配慮した行動をとらない理由として、費用がかかることをあげる人もいる。消費者の環境意識が高くなっても、環境に配慮した商品やサービス、企業の選択に結びつかないというギャップが存在するのだ。

こうした状況を改善するため、同研究会は、消費者と事業者とのコミュニケーションを通じた課題の解決を図っていくことが重要であると指摘している。両者が知恵を出し合うことで、新たな環境配慮商品やサービスが生まれ、双方が納得、共感することのできるグリーン・マーケットの創出につながるという。具体的には、環境に配慮した商品やサービスの新規開拓、先進的な基準を設定すること、消費者に届きやすい情報提供、施策の連携と相乗効果を図ることなどが必要であると提言している。

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