A: 2050年における温室効果ガスの削減目標が長期目標だ。日本は2050年までに60〜80%の削減を目指すという目標を掲げており、環境省は2009年8月に公表した「温室効果ガス2050年80%削減のためのビジョン」で、エネルギーの需要側と供給側の双方が低炭素化に向けた努力を行うことで、2050年に2005年比で80%の削減が可能であるとしている。同ビジョンはその実現のために次のような方策を掲げている。1) 二酸化炭素回収・貯留(CCS)の導入・普及、2) 太陽光発電など再生可能エネルギーの大量導入、3) 電気自動車やハイブリッド車の普及拡大、4) 粗鋼生産など産業分野の低炭素化、5) 原子力発電の継続。また、80%削減を実現する社会の姿について2通りのビジョンを示し、それぞれの場合における各方策の導入率などを提示している。
A: 2050年における温室効果ガスの削減目標を長期目標といい、日本や欧米などの先進諸国がそれぞれの目標を定めている。英国は2008年に策定した「気候変動法」で、同国における温室効果ガスの排出量を2050年までに1990年比で80%削減することを最終目標として明記した。同法が成立した背景には、英国民が気候変動など地球環境問題に対して大きな関心をもっていることがある。また、同国では2000年に「気候変動プログラム」が公表され、2006年の改訂版でCO2削減目標を達成するための政策が提案されるなど、制度ができる道筋は整っていた。なお、同法に基づく2020年までの中期目標は、1990年比で最低26%削減するというものだ。