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「生物多様性条約締約国会議」 詳細解説

読み:
せいぶつたようせいじょうやくていやくこくかいぎ
英名:
Conference of the Parties to the Convention on Biological Diversity

地球上には、山、海や川、土壌などの環境に適応してさまざまな生物が存在し、おたがいが関係し合って生態系を形づくっている。こうした生物多様性の重要性と危機については、地球サミットなどの環境に関する国際的な話し合いの場で認識されてきた。その到達点としてできた、生物の多様性を守り、生物資源の持続可能な利用を行うための国際的な枠組みが「生物の多様性に関する条約」(生物多様性条約)だ。生物多様性条約は1993年12月に発効し、日本を含めた190カ国と欧州共同体(EC)が締結している(2008年7月現在)。なお、米国は締結していない。

同条約の主な目標は次の3つ。1) 地球上の多様な生物を生息環境とともに保全する、2) 生物資源の持続可能な利用、3) 遺伝資源の利用による利益の公正、公平な配分。同条約の締約国が集まる会議が、生物多様性条約締約国会議(COP)だ。1994年にバハマで開催された第1回締約国会議(COP1)では、各国が条約を早く実施するために必要な事項について合意した。COPは1995年(インドネシア)、1996年(アルゼンチン)、1998年(スロヴァキア)、2000年(ケニア)に開催され、バイオテクノロジーによる生物の改変による生物多様性への悪影響を防ぐ「カルタヘナ議定書」などが作成された。

2002年にオランダのハーグで開催されたCOP6は、「対話から行動へ」をテーマにより積極的な行動の展開を打ち出し、生物多様性が失われる速度を2010年までにはっきり減少させるという「2010年目標」を採択した。その後、2004年のCOP7(マレーシア)、2006年のCOP8(ブラジル)、2008年のCOP9(ドイツ)を経て、2010年のCOP10は愛知県名古屋市での開催が決まった。COP10は、生物多様性の保全に向けた国際的な取り組みにおいて、大きな節目の会議となる。2010年目標の達成状況を検証するとともに、新たな目標の策定が大きな議題となることが予想される。また、遺伝資源へのアクセスと利益配分(ABS)を国際社会が守っていくための枠組みづくりも重要だ。

COP10開催に向けて、わが国は2007年11月に生物多様性国家戦略を改訂。第3次となる同戦略では、生物多様性と暮らし、そして地球温暖化との関係に焦点を置いて、今後5年間で取り組む施策の方向性を示している。また、2008年6月には、生物多様性の保全を目的とした初の基本法である「生物多様性基本法」が施行された。一方、生物多様性の保全や自然保護に取り組むNGO/NPOや市民、関係者によるネットワークもできつつある。

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