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「カルタヘナ議定書」 とは

読み:
かるたへなぎていしょ
英名:
Cartagena Protocol on Biosafety

バイオテクノロジーによって改変された遺伝子組み換え生物(LMO)が、生物多様性の保全や生物資源の持続的な利用に悪影響を及ぼすことを防ぐための国際的な枠組み。正式名称を「バイオセイフティに関するカルタヘナ議定書」という。1992年にブラジルで開催された環境と開発のための国連会議(地球サミット)で発効した生物多様性条約に基づき、2000年に採択された。当初、1999年2月にコロンビアのカルタヘナで行われた第6回作業部会後に開かれた生物多様性条約特別締約国会議での採択が予定されていたが、関係各国の意見がまとまらず、2000年1月の再開会合でようやく採択された経緯がある。

カルタヘナ議定書は前文、本文(40条)、末文、3つの附属書から成り、LMOや遺伝子組み換え作物(GMO)の国境を越える移動を対象とする。主な目的は、1) 生物多様性の保全、2) 生物多様性の構成要素の持続可能な利用、3) 遺伝資源の利用から生ずる利益の公正・衡平な配分―の3つだ。生物多様性の保全と生物資源の持続可能な利用に悪影響を及ぼす可能性があるすべてのLMO/GMOについて適用されるが、人のための医薬品などについては適用されない。議定書は、輸入国が該当生物の輸入の可否を判断できる輸入手続や事前合意手続が不要なLMO/GMO、輸出手続、添付書類、締約国内のリスク管理・緊急措置、能力開発、公衆の啓発及び参加、不法な国境を越える移動―など広範な事項を定めている。

2010年7月現在で157カ国及び欧州連合(EU)がカルタヘナ議定書を締結しており、日本は73番目の締約国として2003年11月に締結。2004年2月のわが国における発効を受けて、国内担保法である「遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律(カルタヘナ法)」が施行された。議定書に基づく締約国会議(MOP)が開催された年と都市は次のとおり。1) 第1回(2004年):クアラルンプール(マレーシア)、2) 第2回(2005年):モントリオール(カナダ)、3) 第3回(2006年):クリチバ(ブラジル)、4) 第4回(2008年):ボン(ドイツ)、第5回(2010年):名古屋市(日本)。

日本が議長国となったMOP5では、カルタヘナ議定書を補足する「名古屋・クアラルンプール補足議定書」が採択された。LMO/GMOの国境を越える移動による生物多様性や遺伝資源の持続可能な利用への損害について、締約国が講じるべき原状回復や賠償などの措置に関するルールを定めたものだ。

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