A: 環境税は、環境に負荷を与えるものに対する課税制度だ。地球温暖化の原因となる二酸化炭素(CO2)などの排出量に応じて、企業や家庭などから幅広く税金を徴収することによって、その排出を抑えようとするものは「炭素税」と呼ばれる。EUには、炭素税をすでに導入している国があり、フィンランドは1990年1月にガソリン、重油、軽油、天然ガス、石炭などを対象に世界で初めて炭素税として課税し、一般財源として活用を図った。また、オランダは1990年2月に「一般燃料税」、1996年1月に「エネルギー規制税」の2種類の炭素税を導入。このほか、ノルウェーとスウェーデンは1991年1月に、デンマークは1992年5月に炭素税を導入した。これらの国はいずれもCO2排出量の削減を主な目的としており、税収は一般財源として使われている。そのため、一部の国では炭素税の導入と同時に、所得税の減税が進められている。1990年代後半になると、京都議定書の採択にも関連して、ドイツ、イタリア、イギリスでもCO2の排出抑制を目的とする税が導入された。
A: 環境税は、地球温暖化対策を進めるための手法の一つとして導入が検討されている税だ。具体的には、温室効果ガス排出の原因になっている石炭、石油、天然ガスなどの化石燃料に課税することで、化石燃料の使用量を抑制し、CO2などの排出量を削減する効果がある。それに加えて、税収を地球温暖化対策に充てることにより、環境関連産業の育成を図ることもできる。環境省は2010年度の税制改正要望に、地球温暖化対策税の2010年4月からの導入を盛り込んだ。実現すれば、税収は総額約2兆円になると見込まれている。一方、導入した場合の家計などへの影響について同省は、1世帯当たりのエネルギー使用に関する負担額が年間1127円増すという試算を公表。消費者の間で家計と社会経済への影響を心配する声が高まっている。また、燃料を多く使う企業などからも反対意見が出ている。