サイト内
ウェブ

「臭化メチル」 とは

読み:
しゅうかめちる

 化学式はCH3Brで、別名はブロムメタン、メチルブロマイド、ブロムメチル。「ブロモメタン」としてPRTR法の第一種指定化学物質に指定されている。2005年度のPRTRデータによると、国内では1年間に約3200tが環境中に排出されたと見積もられている。また、強力なオゾン層破壊物質だ。臭化メチルは常温で無色透明の揮発性気体で、わずかにクロロホルムのような臭いがある。病害虫に対する殺虫・殺菌効果があるため、畑やハウス栽培など農業用の土壌消毒剤として使用されてきた。また、輸入作物の薫蒸剤としても広く使用されてきた。通常は加圧されて液化ガスとして貯蔵、輸送され、加圧が解かれるとすぐに揮発。空気より重く、水に極めて溶けにくい。加熱、燃焼すると分解して臭化水素や臭素などの有毒で腐食性の物質を生じる。人体に有害で、吸入すると、吐気や頭痛、けいれん、視力障害などの症状を起こすことがある。また、皮膚に触れると、発疹や水泡などを起こし、皮膚から吸収され、吸入した場合と同様の症状を起こすこともある。臭化メチルはオゾン層破壊物質として、「オゾン層を破壊する物質に関するモントリオール議定書」によって削減のための具体的な措置が定められている。1997年9月に開催された第9回モントリオール議定書締約国会合では、臭化メチルの製造・使用の段階的削減を行い、2005年には全廃することが合意された。日本はこれに先がけて1995年に1991年の実績値を基準として生産量を凍結し、その後毎年、対基準年で約5%の削減を行った。そして1999年以降は議定書締約国会合の削減スケジュールに従って、代替剤開発などを通じ、生産量の削減を行ってきた。また、モントリオール議定書締約国会合の決定に基づき、日本における不可欠用途臭化メチルの削減に向けた考え方や取り組みを「臭化メチルの不可欠用途全廃のための国家管理戦略」としてまとめ、2006年1月に国連環境計画・オゾン事務局に提出した。2007年9月に行われた第19回締約国会合では、1995年に生産が全廃されたクロロフルオロカーボン(CFC)などについて、試験研究や分析に用いる場合は必要不可欠なものとして生産を例外的に2007年末まで認めてきた期限が2011年末まで延長された。この例外措置の対象には、ハイドロブロモフルオロカーボン、ブロモクロロメタン、臭化メチルが含まれている。

キーワードからさがす

gooIDで新規登録・ログイン

ログインして問題を解くと自然保護ポイントが
たまって環境に貢献できます。