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海野和男のデジタル昆虫記

広報こもろ連載 2017年1月号 クルミの葉痕

広報こもろ連載 2017年1月号 クルミの葉痕
2020年12月09日

 冬の自然観察で、手軽で面白いのが葉痕を探すことだ。葉痕は、その名の通り葉の落ちたあとだ。葉には夏の間、枝から水分をもらったり、養分をやりとりする維管束と呼ばれる管があって、葉が落ちると維管束のあとが葉痕に残り、目に見えたり鼻のように見えたりする。葉が大きく柄が太いものほど面白い形の葉痕が多く、人や動物の顔に見えるものもたくさんある。
 同じ木でもいろんな表情の顔を探すことができるのも楽しい。面白い葉痕の一つにクルミがある。その形がまるで可愛らしい羊の顔みたいに見えるのだ。同じ羊でも子どもの様な顔、歳とった羊とさまざまだ。霧氷がでた日にオニグルミの葉痕を撮影したら、氷がびっしりとついた羊さんはとても寒そうにしていた。
 小諸には野生のオニグルミの他、栽培されているカシグルミもたくさんある。種類によってどんな顔をしているか観察してみるのはどうだろうか。クルミの仲間は葉痕の形もよく似ているけれど、ヒツジというよりも、とぼけた子供の顔のようにも見えるものもある。他にもどこにでもあるクズの葉痕やニセアカシアの葉痕も人や動物に似ていて面白い。

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