この号も1ヶ月遅れの連載となった。前もって渡してあった写真と原稿を使ったためだ。
ヒメアカタテハは秋のチョウだ。お盆過ぎから増えはじめ、コスモスの花によく似合うチョウだと思う。10月から11月には道端の花壇で多く見られる。そして霜が来ると、急に数が減り、11月末には姿を消してしまう。
ヒメアカタテハは実は一年中発生を続けるチョウだ。幼虫はどこに出もあるヨモギを食べる。冬は幼虫で過ごすが、寒さに備えるすべを持たずに、小諸のような寒い地域では冬に幼虫が死滅してしまう。
小諸で見るチョウは初夏に南から飛んできて、ここで増えたチョウだ。勢力を拡大しようと移動するチョウで、北半球の温帯地域に広く分布をひろげている。東京でもぼくの子ども時代は秋に現れるチョウだったが、温暖化で、今では住み着いていて、4月から多く見られるチョウになった。小諸でも冬が暖かな年には12月や2月、4月に撮影したこともあるから、そのうち住み着くことになるだろう。問題とされる温暖化はヒメアカタテハにとっては有利に働くのである
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