今回撮影に訪れた台湾は、実はぼくにとって馴染みのない国であった。
1970年代の初期に、何回か撮影に訪れたことはあるが、最近では2011年に、マレーシアからの帰路、台北動物園を表敬訪問したぐらいだ。その時に、今はフトオアゲハも保護されて、以前より見られるようになったと言うことを聞いて、いつかフトオアゲハを見に台湾へ行きたいと思っていた。
今回は知人に礁渓温泉まで連れて行ってもらい、そこでレンタカーを借りて、鳩の沢温泉へ通い、昔から名前だけは知っているチョウの名産地、拉拉山にも行ってみた。高速は1回しかのらなかったが、一般道路はとても走りやすい。台北は違うのだろうが、車の数もそれほど多くない。左ハンドルなので、ちょっと躊躇していたのだが、全く問題はなかった。
言葉は、撮影地で会う人は英語もできるし、日本語が少ししゃべれる人もいる。40代から50ぐらいまでの人は結構日本語ができる。聞いてみると、はじまりはゲームのようだ。学校での勉強より楽しく語学ができる(勿論本格的ではないのだろうが)
ぼくにとっては、台湾で困る唯一のことは言葉である。小さなお店などで英語はほとんど通じないと思ってよい。食べ物屋でも写真のある店は少なそうだ。まったく困らなかったのは言葉が通じないが、おじさん一人でやっている中華の店、食材を指さして作ってもらうとなかなか美味だった。最終日、そこへ行ってみたら、おじさんが酔っ払っていて、仕方がないので、違う店に行った。
もう一件、その数日前に行った店にいったら火曜日は定休日だった。本当は海鮮料理で魚が食べたかったが、魚1匹というのは一人では多すぎる。魚だけというのもなんだから、仕方なく和寿司と看板のある店に入って見たが、メニューに自分で記入する方式。寿司だと思って頼んだ魚9というのは刺身だった。刺身と思って頼んだのはタコの酢の物みたいなもの。日式とあった豆腐は揚げ豆腐だった。これは予想と違わず。仕方なくご飯と味噌汁を頼んだけれど、味噌汁は通じるがRiceが通じない。他のお客さんが通訳してくれて白飯にありついた。寿司も旗には江戸前寿司の写真があるが、実際には巻物のみ。寿司が一番の好物のぼくとしては、とても寿司屋とは呼べない。
ずっと宿泊した礁渓温泉は泉質が素晴らしく、湯量が豊富だ。炭酸泉のようだったが。PH7.9とあった。おかげで、年取ってから悩まされる脚の湿疹がよくなった。撮影地の鳩の澤では時間がもったいないので温泉に入らなかったが、とまったホテルの温泉と泉質は似ているように思った。フトオアゲハのオスは温泉の水を飲みにくるのだ。マレーシアのアカエリトリバネアゲハみたいだ。温泉を舐めてみるとナトリウム塩がとけ込んでいる味がした。
物価は思ったより高い。タクシー代は安いようで、帰りは空港まで1時間高速でタクシーを使って5500円程度。ホテルは結構する(ぼくは安いホテルにしたが、イーランではUS100ドルぐらいが一般的、高級なところはUS200ドル以上。北海道の地方よりコスパは悪いかもしれない。食事はまずまず。おいしい店に行っていないのだろうが、すごくおいしいとはいえない。まあ水準と言ったところ。
コンビニで飲み物などの値段は缶ビールは150円ぐらいと日本より安く、コーラなどは小で1本100円程度。ここ2年で12カ国を旅して、最近の日本のレストランのコスパは世界でも最高のように思う。日本はものすごく安いわけではないが、飲み物なしで1人2500円で食べれる品質は大変高い(ぼくが一人で夕食を食べる基準)。ちなみに和寿司で払ったお金は2800円(ビール1本込み)。
海外で一番コスパが悪いのはオーストラリア、ついでカメルーン、フレンチギアナの順か。食事のコスパがよいのは日本、タイ、マレーシア。(かかるお金というわけではなく、値段対品質という意味で)。最も食事が安かったのはミャンマー。味もまずまず。マダガスカルもフランス料理を食べるならコスパはとてもよい。1000円程度から、コースが食べれるのだから。
台湾は人が穏やかで、治安も日本よりよいのではないかと思った。言葉ができれば旅行しやすい国で、レンタカーも問題がないのでまた来てみたいと思った。
写真はフトオアゲハ
海野和男写真事務所へのご連絡、小諸日記へのご意見
プロフィールページのアドレスへ
掲載情報の著作権は海野和男写真事務所に帰属します。
Copyright(C) 2024 UNNO PHOTO OFFICE All Rights Reserved.