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海野和男のデジタル昆虫記

SSP会員の最新作

SSP会員の最新作
2017年11月16日


 このところ立て続けに3冊の本が届いた。いずれもSSP会員による著作だ。いずれも素晴らしい本で、ここにまとめて紹介しておくことにする。

田淵行男賞作家でもある中島宏章さんのボクが逆さに生きる理由
逆さに生きているのは動物写真家も同じような気もするが、これは中島さんが逆さに生きる理由というわけでなく、逆さにぶら下がっているコウモリのお話しだ。全般を通して、コウモリ大好き人間の中島さんの人柄もうかがい知ることもできる。
第1 章 コウモリのこと、どれくらい知っていますか?、第2 章 進化の謎を探る、第3 章 飛行メカニズムの謎に迫る、第4 章 超能力ではない、超音波だよ、第5 章 知りたい! 長寿の秘密
第5章はコウモリが長生きであることに驚かされる。一般に小型の哺乳類は寿命が短いのだが、なんと標識されて再捕獲されたシベリアのコウモリは41年も生きていたことがわかったそうだ。これ1冊でコウモリのことをかなり理解することができる素晴らしい本だ
SSP副会長で創立直後からSSPを盛り立ててきて、現在副会長の伊知地 国夫さんの美しい科学の世界は身近にあるものを超アップにしたり、瞬間をとめたり、毛管現象、光りの回折やモアレなどの現象を美しい写真で見せている。
かたち 瞬間、生命、光 身近なもの に章立てされ、科学を身近に感じて欲しいという、著者の思いがよく伝わる本になっている。
川口邦雄さんは言わずと知れた山岳写真家で、85才になられる。長年SSPの会員や理事として、会の発展に尽くされてきた方だ。多彩な方で、スケッチや文章も書く、ということで今回の本は川口邦雄写真文集となっている。光・山・憧憬と題された写文集はフェーズ1宙容、フェーズ2活象、フェーズ3畏界と章立てされ、全編を通して、自然界への畏敬の念が感じられる構成になっている。川口さんの名作が集められたこの本は山の愛好家なら、見るべきものが多いと思う。

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