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海野和男のデジタル昆虫記

極上の時間

極上の時間
2013年12月21日

20日の朝は焦った。目覚めたのが5時50分。時計は4時50分を指していた。
目覚ましを5時にかけたのだが、なんとその時計が1時間遅れていたのだ。ぼくは目覚ましの鳴る少し前に目覚める習性がある。きょうもそうだったが、目覚まし無しで起きられるのは、実は時計に支配されていると言うことなのかもしれない。寝る前に時計を見て、何時間後に起きるかを、ぼくの脳は決めているらしい。
 車を6時に予約していたので大急ぎで着替えて外にでたのが6蒔ちょうど。出かけるのに1時間前には起きなければ調子の悪いぼくだけれど、10分でも何とかなった。ただし車に乗ると、何か頭が痛い。予備のメガネを事務所にとりに行くこともできなかった。まあ今回は前の日が暇だったので、準備が整っていたのが幸いした。
 成田から9時発のキャセイ航空で香港経由ペナンへ。
 マレーシアへはキャセイ航空を使うことが多い。ペナン着は19時と、キャセイはよく利用するが、ペナンに一番早く到着することもある。香港まで4時間、そこで乗り継いで3時間半と、適度な飛行時間であることもある。料金とサービスを鑑みたコストパフォーマンスもよいと思う。
 飛行機は移動手段であるのだが、乗り込めば、知り合いがいるわけでもなく、まったく一人で、そこそこの食事とワインが楽しめる。飛行中は特にやることがないから、一番自由な時間なのかもしれない。4時間というのは食事をして、お酒を飲んで、ちょっと一眠りするのによい時間だ。食事のチョイスは2種類しかないが、赤ワインを楽しむため、メインは魚系でなくテンダーロインにした。シャンパンはHanriot、白はSaint-Verau Pierre Andre、赤はFleurie Cuveeを1杯ずついただいた。
 小諸で一人で過ごす時間やフィールドでチョウを追いかけて過ごす時間も充実したすばらしい時間であるが、やること、やらねばならぬことがある。小諸では食事を作らなければならないし、フィールドでは動き回って、一喜一憂する。飛行機の中は全て受動的である。やろうと思っても何もできないという、それはそれなりに素晴らしい時間がある。それにしがらみがまったくないのもよい。もしかしたら、ぼくにとっての極上の時間は移動中の飛行機内なのかもしれないと思った。
 飛行機の中や、見ず知らずのレストランに入った時は、まわりの様子を観察するのも楽しい。虫がいないから人間の観察だ。たまたま居合わせた人たちが何故ここにいるのかを想像するのである。普段は人間に感心のないぼくがなぜか、飛行機や見知らぬレストランといった場所では、人に興味がでるのである。写真で撮ってもそれは直截すぎる、こんな時に、小説家は良いなと感じるのである。
 今回の旅は1月6日までと結構長い.いつもながらのペナンとカメロンハイランド。今回はペナンがメインという旅である。明日からはマレーシアからの小諸日記をお楽しみ下さい。カメロンハイランドではぼくの名前の付いたナナフシを是非写真に撮りたいと思う。

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