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海野和男のデジタル昆虫記

ため池の草刈りについて

ため池の草刈りについて
2013年07月23日

 読者の方から田んぼの近くの草刈りについてメールを頂きました。
 たんぼ近くの草刈りはアカヒゲホソミドリカスミカメなど斑点米の原因となるカメムシ対策で行われるとのことです。イネの出穂前に行うよう指導されているようです。このカメムシはイネ科につくわけです。「カメムシ類の食草となるイネ科の植物だけ刈り取れれば良いのですが、それはなかなか困難なため、全部刈ってしまうということになるようです。斑点米が米1000粒中に2粒程度混入しただけで等級がワンランク下げられるそうです。米の味には全く影響しないので、この評価基準がもっと緩くなれば7月中旬頃の草刈りの理由が多少は薄らぐとは」とのご指摘でした。こうなるとやはり農業を指導する行政に問題があると言うことになります。
 けれど草刈りを続けているため池の土手の植物は、回を重ねるごとにイネ科の植物が優勢になってきます。いたちごっこのようなものです。そして良い環境を取り戻すことが困難な状況になっていくのです。
 このため池の周囲は比較的良好な田んぼが広がっていますが、同じ小諸でも、道が悪い谷などにある農地は、耕作放棄地も増えています。耕作放棄しても減反という届け出で、ある程度の保証があったりするようですが、そうした場所は観光や、子供の教育、良い環境を保って、海外からも人が呼べるような田んぼ作りが必要なのではないかと思います。アグリツーリズムのような産業も可能なのではと思うのです。
 さらに栽培した有機米は付加価値を付けて販売することもできるでしょう。最もこの方法はすでにいろいろな団体がやっているようです。例えば源五郎米山の神など。
 場所場所にあった農業指導が望まれる時代だと、ぼくは思います
 良い環境のため池の美しい景観と自然は、まず子供の教育と、郷土への誇りと愛着を築くことができるのではないかと思うのです。そして都会から観光客も呼べる観光資源にも十分なり得るものです。何も小諸の観光資源は懐古園だけではないと思います。懐古園は一度行ったら、もう良いかという場所だと思いますが、こうした美しい自然環境の場所は、好きになれば何度でも訪れるのです。
 写真は草刈り前の草地。花が多いところにはイネ科植物が少ないことが良くわかる
クチバスズメの飛翔の高速度ビデオをアップしました。

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