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海野和男のデジタル昆虫記

レチナ3C RETINA 3C 1954

レチナ3C RETINA 3C 1954
2012年12月14日


先日紹介したレチナレフレックスはレンズシャッター式の一眼レフだが、実はそのカメラのレンズをそのまま使えるレンジファインダーカメラが,その前に存在した。
 レチナ3Cである。一眼レフとレンズシャッター機のレンズが全く同じというのはフランジバックの関係で普通はあり得ないのだが、レチナのレンズシャッター機は、レンズ交換式で、望遠レンズも使えるようにするため、フランジバックを長くとってあった。レンズの付いている部分が折り畳み式で、レンズは普通のレンジファインダー機よりも前にある。そのためにそのまま一眼レフにするのにそれほどの困難はなかったと思われる。だからレチナ?Cを持っている人には、レチナレフレックスはとても便利な一眼レフだった。
 コダックといえばアメリカの会社だと思うが、戦前からのグローバル企業で、コダック社のレチナは、アメリカ製ではなくドイツコダック製である。1934年からレチナの名で製造が開始された。ライカのような高級機ではなく、誰でもが写真を楽しめるようにとの思想の元で作られ、中産階級向けのカメラとして名声を博した。
 レチナ?Cは1954年から製造が開始され、主にアメリカ向けに輸出された折りたたみ式のしゃれたカメラである。折りたためばボディーはとても薄くなり、カバンの片隅にでもすっぽりとおさまるコンパクトさがよい。レンズも広角や望遠もあり、前群を交換する方式なので小型である。主にシュナイダーがそのレンズを供給していた。標準はレチナ・クセノン50mmである。当時のアメリカは中産階級が発達していたから、このカメラはよく売れた。持ち運びが便利でよく写るこのカメラは50年代から60年代にかけ、アメリカ人の海外旅行者と共に世界を飛び回ったことと思う。
 写真は晩秋の八ヶ岳、レチナ3C、レチナ・クセノン50mmでの撮影(ポジ)。
 この記事はクラシックカメラで自然を撮るの原稿を少し直したものだ。2002年出版のこの本は、出版社もつぶれ、在庫もなくなって,中古のみで売られている。

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