キプリスモルフォは中米南部から南米北西部に住むたいへん美しいモルフォチョウだ。他のモルフォチョウよりも淡い青色の光沢のある翅を持っている。
ぼくはコスタリカとパナマでこのチョウを観察したことがあるが、パナマでは平地のジャングルの中の林道を飛んでいた。高さ3mぐらいのところを飛ぶので、下から見ると青い色は見えず、なんだか薄汚れたチョウに見えた。コスタリカでは標高700mぐらいの場所で上から見下ろすことのできる谷間を飛んでいて、その強烈な青色が目に焼き付いた。
この写真は同一の標本を、異なるライティングで撮影したもの。モルフォチョウの翅の青色は構造色と呼ばれ、鱗粉の中で光が干渉してできる構造色だ。光の方向をある一方向からだけにすると、干渉が起こらず、茶色っぽい色が現れた。モルフォチョウはどの種でもこのような傾向があるが、キプリスモルフォはその中でも最も強烈に色が変化するようだ。だからこそ。このチョウの自然光で見る色がたいへん美しいのだと思う。
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