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海野和男のデジタル昆虫記

25年前の標本

25年前の標本
2011年01月06日

 昨日は、ゼフの卵を探しに行ったのだけれども、見つからない。丹念に探せば目が悪くても見つからないはずはないのだが、何本か枝をたぐり寄せて、だめだったらあきらめるということを繰り返しただけだった。
 アトリエに戻って、気を取り直して標本撮影をしてみた。何しろ古い標本が多いのと管理が良くないので、カビが生えたりしているものが多い。この5年ほど、小諸のアトリエは以前より湿気が多い。このコーカサスオオカブトはましな方だった。25年ぐらい前にマレーシアのゲンティングハイランドで捕まえたものだ。
 ハナカマキリやコノハムシを使ったNTTのテレビコマーシャルが1987年にあった。その撮影は86年秋かなと思う。撮影はゲンチングハイランドにセットを作って行われた。カメラはカナダから持ち込んだ大がかりなシステムで、レールとクレーンを組み合わせたものだった。オペレーターや技術者がカナダから何人も参加していた。カメラマンは十文字美信さんだった。
 カメラは35mmのフイルムだが、モノクロのビデオもモニターできるようになっていて、十文字さんがモニターを見ながらgoを出す。あっという間に大量のフイルムが消費されていく。一度カメラを回すとワンショットで10万円ぐらいのフイルムを消費する。一日に何百万円という大量のフィルムが消費される。確かぼくのアドバイスで魚眼レンズをカメラに付けた。
 ぼくは手伝いに出かけたのだが、そうした大がかりな撮影を見学でき、いつかは自分もと思ったが、未だに実現できていないし、今ではそのような大がかりなコマーシャルは多くはないだろう。
 このコーカサスオオカブトはその時に、宿舎の灯りに飛んできたものだ。講談社のパノラマ図鑑の表紙に、このアングルの写真を撮った。当時は標本写真はローライSL66Eで撮影していた。まったく同じアングルでD7000に85マイクロで撮ってみた。ストロボを使わずにデスクライトで照明し、深度合成でピントのあった写真にした。昔はあおりで、角と顔にできるだけピントが来るようにとやったものだが、今はただカメラをレールに載せて、少しづつ動かしてはシャッターを切る。

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