今回のマダガスカルで、最も驚いたのはヤモリとハゴロモの共生だ。木の幹に体をぴたりとつけてカムフラージュしているハゴロモを見つけたのだが、多くの個体の下には昼行性のヤモリがとまっていた。ヤモリは1種類だけでなく数種類いる。そのどれもがハゴロモのすぐ下にとまってじっとしているのだ。
ヤモリは昆虫を捕らえて食べる動物なので、普通ならハゴロモはヤモリに食べられてしまうはずである。ところがこのハゴロモはヤモリに襲われることはない。1時間に1〜2回、ハゴロモがおしっこをすると、ヤモリはそれをおいしそうに舐めるのである。観察していた数時間の間にほんの何回かしかおしっこをしないのに、ヤモリは、それをじっと、待っているのである。
ハゴロモは半翅目の昆虫で木の幹から汁を吸う。そのおしっこは糖分を含んでいるので少し甘い。それが目当てであることは間違いないのだが、ほんのわずかの食物を得るために忍耐強く待つヤモリを見ていると、このおしっこの中にはヤモリにとって魅力的な何か特別な成分が入っていのではないだろうか。ハゴロモはヤモリを引きつけておくことで、クモやハチなどの捕食者から、身を守る効果があるのだと思う。E-3 50マクロ+EC20
10月18日、富山県立山博物館で講演。会場はサンシップとやま。申し込みは締め切ったそうですが少しだけ余裕があるようですので、問い合わせてみてください。
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