コノハムシは普通、葉の裏に背中を下にしてとまっている。実はこの姿勢でとまることが大変重要である。
このような姿勢でとまると、太陽光線が上から当たった時に下から見て、翅脈が葉脈のように透き通って見える。(左)自然界では光は常に上から来るわけだからこのようにとまることは理にかなっている。
さて上から見ると腹側が見えるわけだが、腹側は濃い緑で。これがまたつるつるした葉の表面に似ているのである。もし逆にとまると透過光線で内蔵の入っている中央の部分が黒く背骨のように浮き出してくる。コノハムシの翅の裏側と、翅で隠されている腹部は中心部分の色が白っぽく、透過してきた光がそこで拡散されるために、腹側から光が当たることによって内蔵の陰を消しているのだ。(右)
「昆虫たちの擬態」 昆虫擬態の観察日記 花になったカマキリ
◎10月12日までマダガスカル取材中のため、今月は特集昆虫の擬態を連載形式でおおくりします。マダガスカルからの更新は恐らく不可能と思われますがチャレンジはしてみますのでお楽しみに。マダガスカル昆虫記は10月以降に特集したいと思います。
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