今日は画像機器の展示会に行った。高速度ビデオカメラがどれくらい進化した楽しみだった。今年は3Dの機器展示もあったので面白かった。
けれどぼくの知らないものは一つもなくちょっとがっかり。最近使っていたカメラは使いやすいが、画質が今ひとつ。800x600で高速度撮影ができるmiroというカメラだけは見たことがなく期待だった。デジタル一眼レフぐらいの大きさだ。大変に使いやすそうだが値段は思ったより高く400万円を超える。130万画素ぐらいで秒500コマから1000コマ撮れるカメラ何種かあったが、最も安いもので270万円ぐらい。高いものでは600万円以上。デスクトップパソコン使用の高速度カメラは100万円台でもあるが、これは野外では使えない。あとは画像の保存がコンパクトフラッシュというのがよいようで使いにくい。HDMI端子などでテープに保存できるとよいのだが。こうしたカメラは元々画像計測用だから、テープに記録する方式はもともと考えられていない。
130万画素ぐらいで秒500コマで1秒撮影すると圧縮の高いものでも1GBぐらいになりそう。これをコンパクトフラッシュかパソコンのハードディスクに保存するのに相当な時間がかかる。つまりカメラを2台持っていないと、保存中に撮影ができない。結局、もう少し様子を見ることにした。
今日の写真はバッタと少年。前に出版した「虫たちの惑星」ではこの写真は1987年撮影ということになっているが、その前後の状況を顧みると、おそらく1986年の撮影ではないだろうかと思う。資料をひっくり返せば撮影日がわかるかもしれないけれど、どこにあるのかわからない。デジタルになって本当にその辺は便利になった。
タイ北部チェンライに行ったとき、象に乗って少数民族の村を訪ねる旅をした。泊まった村で大きなバッタが現れたので、地面に寝転がって撮影していたら人が集まってきた。子供はバッタを見ているのではなく、おかしな写真家を眺めているのである。この写真をSSPの写真展に出したら、科学的でないということで落とされてしまった。
今は、自分がそうした審査をする立場である。先日も伊丹昆虫館での写真コンテストの審査をしたのだが、どんな観点で選ぶのかということで、大変悩んでしまった。特に生態的に貴重と思われる写真と、そうではないけれどインパクトのある写真とを同列に比べることは難しい。
昆虫写真コンテストですらそうだから、自然写真コンテストになればもっと難しくなる。ただし分野が広くなれば、やはり写真がインパクトを持っていることはもっと大切になってくる。そして、その写真が何を伝えようとしているかを審査員はもっと考えなければいけないのだと思う。
シグマ16mm魚眼(当時はシグマの魚眼は16mm)
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