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海野和男のデジタル昆虫記

カルパントラスの切り通し(ファーブル紀行9)

カルパントラスの切り通し(ファーブル紀行9)
2007年07月02日


 1842年ファーブルはカルパントラの高等小学校に教師の職を得た。18歳の時のことである。教えながらも勉学に励んだ。大学には行かなかったが、入学資格試験に合格、23歳の時にモンペリエ大学の数学の学士号、24歳の時に物理学の学士号を取得した。
 ファーブルが教えた学校は現在はヴィクトル・ユーゴー学院としてカルパントラの町に残っている。この町にはジャン・アンリ・ファーブル高校もあるが、こちらはファーブルの名前を付けた新しい学校である。
 カルパントラ時代のファーブルは野外観察で生徒からヌリハナバチの蜜について教えられたり、ツチスガリを観察したりと次第に昆虫学への目を開いていった。
 ファーブルのハチの研究は有名である。彼は社会性のハチやアリについてはあまり興味を示さない。社会性昆虫はファーブルの独立独歩の生き方にそぐわなかったようだ。そのあたりはファーブルの人柄がしのべておもしろい。ファーブルの研究したハチは単独性のカリバチが多い。年取ってからもこのカルパントラスの切り通しはファーブルにとってハチのよき観察場所となった。


◎フランス取材中のため小諸日記の更新が滞るかと思います、そこでファーブルの生まれ故郷や虫たちを前もって準備した原稿で更新することにします。写真はほとんどが20年近く前の取材時のものです。現地からのその日のレポートも時々はいるのではと思いますのでご期待ください。
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