ファーブルは自分が幼い頃から物を観察し、何故だろうと考える少年だったことを昆虫記の中で語っている。太陽を見て太陽の光を目で感じているのか、口で感じているのか不思議に思い。目を開けたり閉じたり、口を開けたり閉じたりして、目で太陽を見ているのだと実感したのである。こんな当たり前と思えることでも、常に実験をし、確かめるというファーブル流のやり方はすでに幼年時代に芽生えていたといえる。
「ある日ファーブルはおやつのリンゴを一つ持って丘を登った。丘に登れば太陽がどこから来るのかがわかると思ったからだ。急な斜面を登っている途中で、ファーブルはすばらしいものを見つけた。鳥の巣である。中には青い卵が6個あった。2週間ほどして雛がかえった頃取りにこよう。今日は記念に卵を一つだけ持ってかえることにしよう。ころんで卵を壊しては大変だ。今日は丘の頂上に行くのはやめて、家に戻ろう。」そう思ったファーブルは丘を降りた。
◎フランス取材中のため小諸日記の更新が滞るかと思います、そこでファーブルの生まれ故郷や虫たちを前もって準備した原稿で更新することにします。写真はほとんどが20年近く前の取材時のものです。現地からのその日のレポートも時々はいるのではと思いますのでご期待ください。
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