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海野和男のデジタル昆虫記

ギフチョウの保護区

ギフチョウの保護区
2006年04月09日

 明日、岐阜の名和昆虫館に行く。ぼくのサイトの昆虫教室の取材だ。それだけではもったいないというので、今日一日、谷汲でギフチョウの撮影をすることにした。
 目標はビデオでの産卵シーン。1日しかないから、まず知っている保護地へ行った。そこはゴルフ場だがどういうわけか、今年は立ち入り禁止である。ゴルフ場の経営が変わったためか。
 そこで高校の時に名和昆虫館で教えてもらった、別の名札という場所へ行った。おどろいたことにそこも保護地になっていた。
 だいぶ前から、ギフチョウは町の文化財ではあるのだが、積極的に保護している場所はなかったと思う。
 地元でギフチョウの保護に取り組んでいられる高木俊朗さんにお話を伺った。5年前からの取り組みで、ギフチョウの多い場所の地主と交渉し、その場所の下草刈りをしたそうだ。それでカタクリが増え、カンアオイも増え、ギフチョウが飛ぶ楽園になったのだ。その数は、ぼくが初めて見た高校生の時の光景そのものだった。
 町の文化財として保護されているギフチョウだから、本来は行政がもっと積極的に保全をし、子どもたちの教育の場として役立つように予算をつけるべきであると思う。現実は高木さんのような個人がその役割を果たしておられるのだ。

 谷汲を初めて訪れた高嶋君の感想は以下のようなものだ。
 カタクリの群生地にたくさんのギフチョウが飛ぶ。こんな光景は、うまく条件が揃わないと、なかなか見られるものではない。カタクリはちょうど見頃の咲き具合で、ギフチョウは羽化して間もない翅のきれいなものが多かった。午前中はやや気温が低めだった事もあったのだろう。カタクリにとまって吸蜜している、その時間の長さに驚いた。
 現地に着いたところ、観察会に集まった20人くらいの団体があった。「また来たよー」という子どもたちの歓声が楽しげに響いていた。中には、今日はじめてギフチョウを見る人もいたと思う。ギフチョウとの出合いがいい思い出として残ってくれることを祈ろう。
 海野はこう思う。昆虫採集をしなくても、こんなふうに子供時代にギフチョウに会えることは、子どもたちにとっては幸せなことと思う。昆虫協会でやっているオオムラサキの採集会もきっと子どもたちの脳裏に残ると思う。けれど本質は同じだと思う。最初から本などであこがれて採集に訪れた場合と、大人が教えるのとは同質ではない。観察も同様だ。
 しかし、時代は変わったのだと思う。そして写真を撮りに来る一般の方も多い。見たい、写真に撮りたいという行動は採集と本質的に変わらないのだと思う。
 そして、採集しなければ、ギフチョウは実に人を恐れない。道で待っていても一日居れば、魚眼レンズでの撮影チャンスもある。E-330 のライブビューは魚眼には便利。もう1人現場には同じカメラと同じレンズの方がおられた。とりあえずギフチョウを魚眼で撮りたい人には向いている。保護地でも寝転がらなくてよいから、植物を傷めることも少ない。

 上はE-330に8mm魚眼+EC14、下はistDS2 10−17mm魚眼ズームの広角端。





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