写真家にとって一番大切なことはなにかなとよく考えます。それは自分が面白いなと思った世界、伝えることが必要だと思った世界を素直に撮っていくことではないかと思うのです。
ぼくも一枚一枚の写真の善し悪しに一喜一憂しているわけですが、自分でこれはよいと思っている写真も、それが世の中になんら影響を与えないならば、写真家の写真としては失格です。写真家と名乗る以上は、写真を通して何かメッセージを残さなければいけないのだと思うのです。
難しかった昆虫写真技術も、機材の進歩と、情報のインターネット化で、今や誰でもがすごい写真を撮れる時代となりました。勿論被写体が自然物なので、簡単と言っても時間と情熱が必要なのは言うまでもありません。
そんな時代に昆虫写真家も、そろそろ何を伝えたいかを考えて写真を撮る時代にならなければいけないのかなと思っています。けれど、それは、大上段に振りかぶったものではいけません、まず自分が楽しいことが第一です。
自分が楽しければ多分その写真が面白いと感じてくれる人は必ずいます。もしいなければ、その人は天才かもしれません。凡才のぼくの場合はそうした心配は無用ですが、そんな写真にも没頭できたらうれしいことです。
今年もまた一年、楽しく写真を撮りたいものです。そして昆虫写真愛好家が増え、みんなで、この地球が私たち人類だけのものではないということを伝えられたら良いなと思っています。
写真は伊豆の海 D200 18-200
◎「地球は虫の惑星だ」フジテレビ系列1月28日深夜2時、長野放送製作の1時間番組です。
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