現在ニューギニア取材旅行中です。小諸日記は前もって作っておいた「デジカメ自然観察」を連載で掲載しています。現地からの日記も状況の許す限り更新したいと思っています。
コンパクトデジカメのカタログを見ると、CCD(撮像素子)という項目がある。そこに1/3とか1/2、2/3など様々な数字が書かれている。この単位はインチで、CCD本体の対角線の長さを現している。
1インチは約25mmだから1/3インチは、約8mm、1/2インチは、約12.5mm、2/3インチは16mmになる。しかし実際には受光部はさらに小さく、1/3インチで約6mm、1/2インチで約8mm、2/3インチで約11mmになるそうだ。フイルムの場合は35mmとか6X7いうふうにcm表記だ(4X5など大型のものはインチ表記)。35mmフイルムは長辺がおよそ35mmのフイルムだ(正確に言えば35mmフイルムは元々は映画用の70mmのフイルムを半分に切り、両側に穴を開けたものなので、穴まで含めた幅が35mm)。これに対しデジカメではインチ表記が普通で、しかもその長さはテレビや液晶モニターなどとと同じ対角線の長さというややこしいことになっている。コンパクトデジカメを35mmフイルムカメラとを比べるとデジカメのCCDはずいぶん小さいことがわかる。
35mmカメラの標準レンズはだいたい50mmの焦点距離のものが使われている。35mmフイルムでは50mmのレンズで横40度の画角で写真を撮ることができる。焦点距離が長くなればなるほど画角が狭くなり、写る範囲も狭くなる。これを望遠レンズと呼んでいる。そして画角が広くなればなるほど写る範囲が広くなり、これを広角レンズと呼んでいる。
デジカメの場合はCCDが小さいので、35mmカメラと同じ画角で撮影しようとすると、ずっと短い焦点距離のレンズが必要となる。例えば1/3インチCCDを使った小型のデジカメでは同様に6mmが35mmカメラの50mmに値することになる。
被写界深度という言葉がある。被写界深度とはピントの合う範囲のことだ。写真は立体の被写体を平面に写し取る作業だ。雑誌などに載っている写真を見ると全体にピントが合っているもの、一部にピントがあって背景はぼけているものなど様々だ。
カメラには絞りがある。この絞りは明るさを調節するものだ。けれどそれ以上に被写界深度をコントロールするために使うものなのである。絞りの数値を大きくしていくと絞りが絞られるが、絞るほどピントの合う範囲が広くなっていく。これを被写界深度が深くなると呼ぶ。逆に数値を小さくしていくと絞りをあけていくことになる。そうするとピントの合う範囲は狭くなる。これを被写界深度が浅いと呼ぶ。
被写界深度はレンズの焦点距離が短いほど深く、焦点距離が長いほどほど浅くなると言う性質がある。また遠距離の被写体にピントを合わせるほど深く、接写のように近距離の被写体にピントを合わせた場合には極めて浅くなるという性質がある。
だから背景をぼかしたいときはなるべく焦点距離の長い望遠レンズを使い、絞りをあけて撮影すればよいわけだ。逆に全体にピントのあった写真を撮りたいときはできるだけ焦点距離の短い広角レンズを使い、絞りを絞ればよいということになる。
被写界深度を上手に使えば背景を大きくぼかすことでメインの被写体を浮かび上がらせることもできるし、全体にピントがあったパンフォーカスの写真を撮ることもできるのだ。そうはいってもメインの被写体を同じ大きさに写そうとすれば、望遠レンズを使えばその被写体からカメラまでの距離は長くなるし、広角レンズを使えばぐっと近づかなければならないのだ。(「デジカメ自然観察のすすめ」(岩波ジュニア新書)からの抜粋を書き直したものです。本をお買い求め頂ければ幸いです。)
写真は羽化直後のウスバキチョウDIMAGE7i(2/3インチCCD)
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