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海野和男のデジタル昆虫記

「デジカメ自然観察9」 データを利用する1

「デジカメ自然観察9」 データを利用する1
2005年10月22日


現在ニューギニア取材旅行中です。小諸日記は前もって作っておいた「デジカメ自然観察」を連載で掲載しています。現地からの日記も状況の許す限り更新したいと思っています。

 昔、本の中で昆虫の羽化の写真を並べてたことがある。編集者の要望でそこに時間を入れることにしたのだが、フイルムには一枚一枚に撮影データは残らない。羽化は虫とにらめっこでの撮影だから、メモを取っている時間もない場合がほとんどだ。そこで前に写したビデオを参考にだいたいの時間を記入した。大きくは間違っていないが、それはその写真の個体とは違うから、正しいデータとは言えない。
 デジタルカメラで撮っていたならば、記録は全て残っているから撮影に専念ができる。こうした記録写真にはフイルムカメラよりデジカメが圧倒的に適しているわけだ。最近は前に撮ったことのある羽化や孵化もデジカメで改めて撮影している。フイルムカメラでいいかげんだった記録を再度記録したいからだ。
 一昨年の夏にダンゴムシの脱皮の撮影をすることになった。ダンゴムシは体の真ん中から前と後の皮を別々に脱ぐ。どちらから脱ぐのか、ちゃんと観察しないとなかなかわからない。本によっても前からと書いてあるものと、後からと書いてある物がある。
 実はぼくも前にダンゴムシの脱皮を一部撮影したことがあった。解説には一番権威があると思われる本にそって、前から脱ぐとキャプションを書いたことがある。でも確信はなかったので今度はちゃんと確かめることにした。その結果はダンゴムシはまず体の後ろ半分の皮を脱ぐことがわかった。
 昆虫では脱皮直後は白いのが普通だが、下から現れたのは真っ黒な皮膚だった。これは脱皮の時に出る液でぬれているからしいのだが、前はそれを間違って脱皮前と思いこんだようだ。
 やがて脱いだ部分は虹のような光沢のある灰色になり、2日目の朝に前の部分を脱いだのだ。その時間変化をデジカメはちゃんと記録してくれた。(「デジカメ自然観察のすすめ」(岩波ジュニア新書)からの抜粋を書き直したものです。本をお買い求め頂ければ幸いです。)
 写真は脱皮直後のダンゴムシ。CANON D60 100マクロ


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