今年はヒメギフチョウが全く見られなくて寂しかった。12年ほど前アトリエの近くに小さな生息地をみつけた。最初は細々で、卵の孵化率が悪かった。孤立した個体群と思い、いなくなるのではと心配した。ところが6年ほど前から急に数が増えだし、元気を取り戻した。それでも成虫の総数は30匹といったところだ。
この地のヒメギフチョウの盛衰を見守ってきたが、昨年何人かの人がかなりの数のチョウを採集した。それで今年はどうなるかとちょっと心配した。いつもなら最盛期には1時間もいれば10匹以上見られるのに、今年は何度行っても、全くいない。増えすぎると突然減ることもあるし、去年の夏の崖崩れも影響したかも知れない。何が原因かは特定できないが、減ってしまったことは事実である。
それが嬉しいことに、わずか1卵塊だが今日は卵を見つけた。そして、夕方に晴れると、アトリエの庭にやってきたのだ。タンポポ、スミレ、シバザクラで吸蜜したが、キアゲハに追いかけられてどこかへ姿を消した。
採集がチョウを絶滅させることはないと思うが、小さな、かつ孤立した個体群ではやはり打撃は大きい。自分自身昆虫採集をして育ち、今の子どもたちにも虫取りをどんどんして欲しいと願うぼくは、こういうときにとても悩んでしまうのである。
◎ブローバというNTTのフレッツADSL会員向けのBBで4月1日より「Nature & Image Community」が立ち上がりました。詳しくはトップページの海野からのお知らせをご覧ください。
海野和男写真事務所へのご連絡、小諸日記へのご意見
プロフィールページのアドレスへ
掲載情報の著作権は海野和男写真事務所に帰属します。
Copyright(C) 2025 UNNO PHOTO OFFICE All Rights Reserved.