ぼくが中学生になってはじめて使った本格的なカメラはレンジファインダーのペトリであった。ぼくが最初に使った一眼レフはペンタックスSPであるが、その時にひょっとしたらこのペトリV6になったかも知れなかった。
確かカメラのさくらやで両方を見比べて、このペトリの何とも言えない雰囲気にひかれたし、値段も1万円ほど安かったので相当迷った。けれど前に買ったペトリがすぐに壊れてしまっていたこともあり、結局はペンタックスになった。
もしペトリを買っていたらぼくの写真家人生は開かなかったかも知れない。というのはペンタックスはM42という世界共通マウントのカメラであるから、様々な用品も豊富にありしかも安かった。ペトリは小さなメーカーでマウントも独自マウントであったからだ。ぼくがペトリを買ったのはずっと後になりペトリがつぶれて、従業員組合が出したMF1という小型一眼レフであった。そしてそのカメラも実に簡単に壊れてしまった。
今回のペトリV6(右1965年の発売)とキャノンFTb(左1971年の発売)はある人からジャンクということで、譲ってもらったものだ。長い間使われていなかったので、シャッターがちょっとおかしくなっていたが、底蓋をあけ少しいじったら、両方共にちゃんと動くようになった。
両方の機種共に結構使われていたし、広角レンズが付いていたので、どういう人が使ったのかと興味を持った。たずねてみると、その方のおじいさんの所持品で、建設会社をやっていたとのことである。このカメラで現場の写真をバシャバシャと撮っていたわけだ。
◎クラシックカメラで撮る自然写真6月発売予定
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