1977年の写真工業別冊「マクロ撮影と顕微鏡写真」という雑誌を見ると、各メーカーのマクロレンズが一覧できる。当時は1/2まではヘリコイド付きのマクロレンズ、等倍以上はベローズを使うのが普通であったことがわかる。各メーカーともベローズ専用のヘリコイドのないマクロレンズを生産していた。当時のベローズ用のマクロレンズは絞りが自動絞りになっているものが多かったが、ベローズの方はたいていダブルレリーズで絞りを絞り込んでシャッター
を切る仕組みになっていた。コピースタンドなどにカメラを固定して撮影することを想定した作りである。
これだと野外でははなはだ使いにくい。シャッターを切ったら絞りが絞り込まれる仕組みでないと、動き回る昆虫の撮影は難しい。そんな中で日本ではミノルタが唯一、完全自動絞りのベローズを生産していた。自動絞りのきくレンズはオートベローズロッコール100mm/4と50mm/4の2種類であった。100mmで等倍以上、50mmで2倍以上の撮影が可能であった。
右の写真は西ドイツ製のノボフレックスのベローズ。ノボフレックスはマクロやベローズ、マウントアダプターなどのメーカーで、今でもマウントアダプターは人気だし、EOS用のベローズなども生産している。
ノボフレックスのベローズには各種あって、これはマウント固定式のミノルタMD用。純正のベローズとよく似ている。そして勿論自動絞り。レンズはノフレクサー105mm/4である。他にマウント交換式で自動絞りの効くもの、マニュアル絞りのものなど各種取りそろえられていた。
◎クラシックカメラで自然を撮る2002年初夏出版予定
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