東京へ戻った時にEOS1Dの展示会へ行った。その帰り中古カメラ屋をのぞいたらキャノンTLbというカメラがあった。レンズ付きで9000円という安さに引かれ、つい買ってしまった。実は若いころぼくはキャノンのごついデザインが嫌いでキャノンを使うようになったのはEOSが発売されてからだ。それで古いキャノンの一眼レフに付いてはほとんど知識を持ち合わせていない。10年ぐらい前にFLベローズの中古を買った。セミオートマチックで使える優れたベローズでびっくりした。しかしそれをつけるカメラは持っておらず、改造用にと思って買ったのだがそのままにしていることが気がかりだった。そこでTLbを買ったわけだ。
TLbは1974年輸出専用の廉価なカメラとして売り出された。TLという1968年からあった輸出用カメラの新しいバージョンであったらしい。評判が良かったのか国内でも1976年に発売している。
セルフタイマーに見えるのは絞り込みレバーである。セルフもホットシューも省略されシャッターも1/500までしかない。それ以外はあまり評判の良かったFTbなどと変わりはなさそうだ。それを省略してもそれほど廉価になるとも思えないが、32300円という値段相応に装備を落として、アメリカで他のメーカーの安い機種に対抗したのだと思う。
撮影し心地はなかなか良い。ともかくスペックや値段の割に立派でしかも丈夫そうだ。当時のアメリカ人好みかもしれないと思った。
◎クラシックカメラで自然を撮る2002年春出版予定
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