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海野和男のデジタル昆虫記

今日のクラシックカメラ(プラクチナFX)

今日のクラシックカメラ(プラクチナFX)
2001年10月27日

プラクチナは1952年発売の東ドイツ製のカメラだ。1962年まで生産されたいくつかのモデルの中で最もポピュラーなのが1953年発売のこのFXである。まだまだ東側の体制が健在で強かった時代だから、西ドイツのカメラに勝るとも劣らないよいできだ。同じ東ドイツのプラクチカと似ているが値段はこちらが倍ぐらいしたらしい。
 一眼レフだが50mmのフレームのファインダーが付いている。ペンタプリズムをはずして写真の下のようにウエストレベルファインダーを付けたときにビューファインダーは便利である。ウエストレベルファインダーは接写などの時、カメラを複写台に付けた時に便利なものだ。
 ファインダー交換もできるシステムカメラとしてモータードライブ(ゼンマイ式)ベローズなどの豊富なシステムがそろっていた。ちなみにちょっと似ている日本のニコンFは1959年発売。アサヒフレックスは1952年発売である。このカメラはシステムカメラとして完成されたニコンFにも多大な影響を与えたのではないかと思われる。
 面白いのはアサヒフレックスはウェストレベル専用であることだ。そしてやはり50mmのファインダーを付けている。1950年代前半は、一眼レフというのはあまり信頼されなくて、写真はビューファインダーを通して撮るものだという感覚があったとも言われる。実際この時代の一眼レフのファインダーは暗くて、なれない人にはピントあわせが難しかったのかもしれない。まだまだ一眼レフの黎明期であった。
 実はプラクチナはあまり一般の人が使うものではなかったようだ。研究所などで多く使われ、科学者のカメラとして人気があったのだという。そこが気に入って中古を購入をしたのだが、裏蓋をあけると研究所で使用されたと思われる文字が書き込まれていた。レンズマウントは専用のバヨネット、標準レンズはテッサーやビオターでセミオートである。セミオートとは絞りをセットし、手動でレンズを開放にしてからシャッターを押すことで自動的に絞りが絞り込まれる方法のことだ。クイックリターンミラーなどなくシャッターをチャージするとミラーも定位置にセットされるという時代のカメラであるから、レンズが自動絞りになるのは画期的なことでもある。

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