今日は、明日からはじまる写真展の飾り付けを無事終えました。会場では、半切プリント56点、80cm大型プリント2点、A439点、計97点展示します。そのほかパソコンで過去の小諸日記を全て見られるようにしてあります。アナログですが写真集も売ります。どうか皆様多数ご来場下さい。海野は毎日出ています。（所用でいない時間もあるかと思いますがご容赦下さい）残念ながら日曜は休館です。以下写真展の挨拶です。

ご　挨　拶

小諸日記　海野和男デジタル写真展

　オリンパスギャラリーのご厚意で、「小諸日記」と題して海野和男デジタル写真展を行うことになりました。
　本格的に昆虫写真を撮りはじめてから、今年で30年になります。熱帯雨林に昆虫の多様性を求めたり、フランスに昆虫学の先駆者でもあるファーブルの足跡を訪ねたりして、世界をフイールドに30年ほど昆虫写真を撮影してきました。そしてここ10年ほどは長野県の小諸市にアトリエを持ち、身近な昆虫や自然の写真を撮り続けています。
　「小諸日記」は、ぼくのホームページ「海野和男のデジタル昆虫記」の中で公開しています。毎日新しく撮った写真にちょっとしたコメントを付けて、その日の内に送信するこのページは、昨年の2月からはじめ、昨年8月からは一日も休むことなく、現在まで毎日1〜10枚ぐらいの写真を送信しています。動物奇想天外の取材でオーストラリアに行った時なども、何とか電話を確保して毎日送信を続けました。ホームページでは、一緒にやっている高嶋清明君も写真を送信していますが、今回は海野撮影のものだけを選びました。
　そして1年以上が経過したので、一区切りということでアナログの形態（写真展）で発表してみることにしました。その日撮影の写真をその日に発表できるのは、デジタルカメラがあってこそできる新しい表現方法だと思います。それにしても世の中変わったものです。ついこの間までは、こんなことが個人でできるなんて考えてもいませんでした。
　今度の写真展の展示作品は全てデジタルカメラで撮影したものです。思えばデジカメをはじめて使ったのは、ちょうど2年前の11月です。最初に写した1枚がその年の最高傑作と思う写真になり、すっかりデジカメファンになりました。今回の写真展では写真は小諸日記で発表した写真を中心に未発表作品も多数含め展示しました。どうかごゆっくりご覧下さい。コメントも是非読んでいただきたいと思います。
　使用した機材はオリンパス1400XL、C2000、C3030、Ｃ2100ウルトラズーム、E-10で一部D-1の写真もあります。オリンパスのデジカメはCCDが小さいので、ピントが深く、ぼくの好みの広角感のある写真が手軽に撮れるのでお気に入りです。現在のメイン機種はＣ2100ウルトラズームとE-10で、前者は10倍ズームが気に入りましたし、E-10は一眼レフカメラに慣れたぼくにとって、全く違和感無く使えるカメラなのが嬉しいです。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　2000年11月16日　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　海野和男



海野和男（うんのかずお）
　1947年、東京生まれ。昆虫を中心とする自然写真家。少年時代からの昆虫大好き人間。少年時代は新宿区で昆虫を追って暮らす。東京農工大で日高敏隆教授の研究室に居候し、昆虫行動学を学ぶ。学生時代に撮影したスジグロシロチョウの交尾拒否行動の写真がアサヒグラフに載ったのをきっかけに昆虫写真家の道に進む。写真は独学。ライフワークとしている専門は擬態。
　著書「昆虫の擬態」（平凡社）は1994年日本写真協会年度賞受賞。「マルチメディア昆虫図鑑」は1999年学校図書館メディア大賞受賞。他に「蛾蝶記」（福音館）「林と虫たちの一年」（岩崎書店）などの著書がある。今年は「虫たちの惑星」を自費出版。
　主な写真展に「蝶」「蝶舞う」「蝶の飛ぶ景色」（いずれもオリンパスギャラリー）「虫たちの惑星」。「海野和男の熱帯昆虫紀行」、「ようこそ先輩」（NHK）、どうぶつ奇想天外（TBS）ニュース23などに出演するなどテレビでも活躍。
日本自然科学写真協会副会長、日本昆虫協会理事、日本写真家協会、日本動物行動学会などの会員。
ホームページはhttp://www.wnn.or.jp/wnn-x/unno