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Vol.28 石井美由樹さん
ベニバナに癒やされ、魅せられて…

  • 2017年9月14日
  • NPOローハスクラブ

肌を救ってくれた紅花

300 4_紅花つみ
 私は深刻な肌悩みが二回起きていますが、その度ごとに植物の恵みに救われてきました。一度目は 10代後半から 20代初め。重い蕁麻疹症により肌荒れと引っかき傷で酷い顔になっていました。少しでも体が温まると目の中から足の先まで大きな蕁麻疹が体中広がり、辛くてたまらなくなるので日常生活に支障をきたしていました。大学病院で「感染症蕁麻疹症」と診断され、薬を処方されたのですが、ある日、薬でも抑えが効かなくなり漢方薬に切り替えになりました。薬が効かなくなった時の不安感は今でもトラウマです。
 痒みに泣きながら真冬でも冷水シャワーを浴びる毎日。無意識でひっかいてしまうので気づけばいつも血染めの洋服になっていました。漢方薬による体質改善は順調で、1年もすると苦しみから解放されていました。併用してハーブも始めました。まだオーガニックという選択肢が無かった時代です。自分でハーブを育て、メディカルハーブを学び始めました。植物の恩恵によって笑顔になることができたので、植物という生命体に畏敬の念を抱くようになりました。

300 5_作業
紅餅を作る工程~花弁をすり鉢ですります(はなずり)
 二度目は長男を出産したときです。早産で入院中もどんどん憔悴し、ついには母子ともに心拍が弱まり危険な状態となったために設備のある大学病院に搬送され、緊急出産をしました。原因は胎盤の裏にできたポリープが赤ちゃんとお母さんの栄養を吸って成長していたせいでした。その後 1㎏弱で生まれた長男は保育器へ。私は集中治療室へ。
 退院後は保育器の中で成長する息子の病院に毎日通っていたのですが、20代の時に痛めた椎間板ヘルニアが再発し歩くのもやっとという状態。肌は黒ずみ、吹き出物だらけ、水分不足でカサカサに。血行も悪かったので黒ずんでいました。

 そんな私を心配する母からもらった紅花を煎じて飲んだり成分を抽出して基礎化粧品を作り毎日使用していました。紅花には昔から血行障害、皮膚病の治療などに用いられており、活性酸素を除去する力も強い植物です。紅花のお陰で体調と肌も癒え、息子が退院してからも親子で元気な毎日を過ごすことができました。自分の体調不良を助けてくれた実感から紅花に興味を覚えるとともに「ありがとう」という感謝の気持ちが生まれました。
300 6_3人
 紅花は黄色の色素の生命体であるはずなのに虫が受粉したお知らせサインとして紅く色づき蛍光発色します。紅花を摘んでいるとその不思議な色目がとても魅力的で愛おしくなり棘は痛いけれど思わず夢中で摘んでしまいます。そうして摘んだ紅花から染料となる紅餅を加工しているとササクレが癒えカサカサだった手がふっくらとなる瞬間の工程がありました。実感として得た感覚と化学的な根拠からその工程で生じた液の研究を始めました。
 従来この液は有効活用するには課題がある液であったために廃棄されていたのですが、自然の成分を用いた方法で課題を解消。当時科学者をしていた弟や各研究機関からご指導とご指南を頂き、5年の歳月をかけ豊潤な美容液のような染色液が完成し「紅花香黄染」と名付けました。
 真っ先に作ったのは浴用タオルでした。息子が強いアトピーで石鹸を使えなかったので石鹸を使わなくても綺麗になり常在菌が活性化するようなタオルが欲しかったからです。浴用で使うのでシルクセシリンが通常の養蚕よりも豊富な野蚕シルクを用いて紅花香黄染で染色した物を「これなら痛くないよ」と息子にプレゼントしました。お風呂の時間がホッコリと豊かになり、息子の笑顔に嬉しい気持ちでいっぱいになりました。

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