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Vol.27 白石真一さん
健康につながる食の生産をめざして

  • 2015年10月1日
白石真一さん

農業生産法人 株式会社千葉農産 代表/白石真一さん

Profile
1949年千葉県生まれ。1974年、東京農業大学農学科卒業後、千葉県東金で3年造園関係で修行し、1980年より自営にて造園業に従事。94年より代々伝わる家にて農業に携わる。2000年、農業生産法人 株式会社千葉農産を設立。富津、木更津、君津、袖ヶ浦など千葉県内にある約200ヘクタールの土地で、有機物循環型農業を営む。障害者雇用や新規就農者支援プログラムなども積極的に実施。耕作放棄地の整備事業や被災地復興事業にも携わる。2014年から機能性健康野菜である青パパイヤの大規模な栽培を始める。

 

8千本の青パパイヤが栽培されている
8千本の青パパイヤが栽培されている
 少子高齢化社会の日本。農業従事者の高齢化も進み、農業従事者の減少や担い手不足で耕作放棄地も増えています。耕作放棄地は景観を損ねるだけでなく農産物に被害を及ぼす鳥獣の潜む格好の場所となり、地域の環境を悪化させています。千葉農産はこうした放棄地や遊休地を再生し農地に有効利用。2010年には千葉県の耕作放棄地を20年ぶりに水田復活させた。
 新規就農や障害者雇用の支援にも力を入れ、40年間放置された里山の再生では新しい経済価値を生み出せる里山を。健康野菜として注目されている「青パパイヤ」の生産も昨年から始め、健康につながる食の生産をめざしている。

耕作放棄地の再生

2~30 年放置されていた用水路整備。用水路の欠損、不法投棄処理、草刈り等、元に戻るまで数ヶ月要した
2~30 年放置されていた用水路整備。用水路の欠損、不法投棄処理、草刈り等、元に戻るまで数ヶ月要した
 耕作放棄地は全国で40万ヘクタールと農地全体の1割弱に達しています。そのような土地を水田や野菜畑に再生することを積極的に取組んでいる千葉農産。代表の白石真一さんは、地元で10代以上続いた農家の生まれ。大学を卒業後、一時は造園業を営んだがバブル崩壊で仕事が減ったのを機に家業の農業を継いだ。
 「耕作放棄地は飛び地が多いので農機具の運搬が頻繁になり農作業の効率は極めて悪い。加えて農作物への鳥獣被害が多く、放棄された理由の大きな要因でもあります。それら耕作放棄地を大規模な面積で借りたほうが、効率がいいので農地の集約を始めました。当初、地元の方々との交渉は大変でしたが、地元漁業共同組合の所有地を借り、雑草を刈り石を撤去し堆肥を入れて農地化しました」
 最近は逆に「ここが荒れているからやってほしい」と言われることが多くなったという。そして開発放棄地の農地への再生を頼まれたという白石さん。耕作放棄地を買収した開発会社が開発を断念し農地への再生を依頼してきたのだ。

里山で生態系の豊穣を都市住民に伝えたい

森の中や棚田の中に住居が点在し自然と境界のない生活空間の実現をめざしている
森の中や棚田の中に住居が点在し自然と境界のない生活空間の実現をめざしている
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 2010年に千葉県君津市の里山「大鷲の森」を購入。面積は110ヘクタール、実に東京ドーム20個分の広大な土地。アクアラインで東京、横浜から1時間以内に位置するロケーションは大きなポテンシャルであり生態系の豊穣さを都市住民に伝える絶好の場所となる。健康で知的刺激の多い農的生活環境の実現を目指しているという白石さん。

 長年にわたって人間と深い関わりを持ってきた里山。40年間放置された里山の再生に取り組み「つくる・まなぶ・つなぐ・はぐくむ」など、コミュニケーションを通して新しい経済価値を生み出せる里山「大鷲里山再生プロジェクト」が進行中。


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