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Vol.27 白石真一さん
健康につながる食の生産をめざして

  • 2015年10月1日

生態系の豊穣を都市住民に伝えたい…里山再生プロジェクト

毎年、訪れた人たちと米づくりを行っている
毎年、訪れた人たちと米づくりを行っている
 「大鷲の森には、耕作放棄地となる40年前まで活用されていた棚田が残っていました。毎年訪れた方々と米づくりを行っています。また、一部をビオトープとすることで里山全体の生態系の維持に役立てました。古代の竪穴式住居を忠実に再現した住居、地域の伝統である上総堀り井戸の再現などもあります。
 里山は竹が自生している場所がたくさんあります。荒れた竹林の整備から、その一つをバーベキュー場にしました。少人数から100名位まで利用でき、福祉児童などのサマーキャンプに提供し人気があります。
 発達障害などの生徒たちを受け入れ、合宿やお祭りなど開催、特に農作業については熱心で児童が生き生きしてくるのがわかります」とアピールする白石さん。
 伐採した竹で竹粉(ちくふん)という堆肥を作っているが、将来はバイオマスを利用した循環型の施設を計画していて飼料生産と陸上養殖を組み合わせた水産施設を近隣の水産組合と計画している。東京湾の水産資源の減少で水産組合も期待しているという。

竹林ではライブコンサートなどのイベントも開催
竹林ではライブコンサートなどのイベントも開催
伝統技術を体験できるよう上総堀りの仕組みを再現
伝統技術を体験できるよう上総堀りの仕組みを再現

被災地の農地復興

農地の除染作業
農地の除染作業
 千葉農産は被災地の農地復興にも積極的に取り組み、福島県の相馬町を中心に水田と畑の除染を行っている。
  放射能に汚染された草を刈り、表面の土壌を削り取り放射能廃棄物としてお馴染みの黒いフレコンに詰め込む。表土が削り取られた土壌をトラクターで耕し、ゼオライト、よう素、リン、カリの除染効果があるとされる肥料を撒き、再びトラクターでならすという作業である。
 「汚染地域は限りなく広く向こう3年はこの作業に従事する覚悟でやっています」という白石さん。環境破壊の再生は、最も高い代償を払わされるということが実感できるのだそう。

持続可能な循環型社会をめざして

近隣の牧場で飼育されている肉牛の糞で堆肥
近隣の牧場で飼育されている肉牛の糞で堆肥
 千葉農産では近隣の牧場で飼育されている肉牛3,800頭の牛糞を主に、野菜の廃棄物と混合し、水分調整をしてコンポスト内で堆肥を生産して自らの圃場に活用し作物の栽培に役立てています。
 作られた牛糞堆肥は、稲作の圃場60ヘクタールを中心に200ヘクタールの圃場に散布され、耕畜連携を実現している。
 また、田んぼに除草剤の代わりに米ぬかをまき、無化学肥料(堆肥のみ使用)、農薬の不使用にチャレンジしています。

田んぼに除草剤の代わりに米ぬかをまいている
田んぼに除草剤の代わりに米ぬかをまいている
 千葉農産のすすめる農業は、内房総の多様な農業、畜産、水産、バイオマスの連携を図り、無駄のない循環型の持続可能な農業。特に医療・福祉・農業を結び、健康維持に役立つ医食同源作物の栽培を進め、増大する医療費の軽減に役立ちたいと考えているそうだ。

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