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第33回 表現者/毛利臣男さん
演劇界(歌舞伎界等)、ファッション界に革命をもたらした表現とは…

  • 2016年6月9日
  • NPOローハスクラブ
表現者/毛利臣男さん

表現者/毛利臣男さん

Profile
国内外におけるオペラやバレエ、スーパー歌舞伎、能、現代劇などの美術や衣装デザインを手掛けると同時に、様々な空間展に美術監督として活躍し、1972年〜ISSEY MIYAKEのアートディレクターとしてパリコレクションの企画、演出等を担当する。その斬新な表現は欧米において高い評価を得ている。京都造形芸術大学、山口県立大学、文化服装学院の客員教授、京都春秋座の芸術監督を務めた。

 アート、舞台、ファッションの領域を横断して活躍し、演劇界(歌舞伎界等)、ファッション界に革命をもたらした毛利臣男さん。宮操子(舞踊家)、モーリス・ベジャール(舞踊家)、三宅一生(服飾デザイナー)、三代目市川猿之助(二代目猿翁歌舞伎俳優)との出会いが大きな要因になった。そして「モーリのコラボレーション美学」等々、クリエイションこそがロハスの素であると言う強い信念の持ち主の毛利さんに早速伺ってみましょう。

素晴らしき人々との出会い−1

モーリのLife Museum」を読んでみると劇的な出会いが多くてビックリしています。少しお話いただけますか?

  バレエ『カスタ・ディーヴァ』ムッシュAのデザイン画
バレエ『カスタ・ディーヴァ』ムッシュAのデザイン画

モーリス・ベジャール扮するムッシュA
モーリス・ベジャール扮するムッシュA
美術大学生の頃、宮操子先生(裸足で大地を踏み、自然の動きを取り入れた新しいダンスをドイツで学び、帰国後バレエ界に大きな影響を与えた舞踊家)の門を叩きました。踊っている人を描きたかったのです。宮先生は「いいよ!」と快諾してくれて「目で見て描くのではなく、身体で描くのよ!」という言葉に衝撃を受けました。そしてそのダイナミックな人柄に惹かれてすぐに弟子入りをしました。

 その頃、20世紀バレエ団が初来日。舞台中央に黒いマントをまとった男…その内側からキラキラした怪しい光りが…そしてその男の動きに魅了され、夢中になって自分もその男と一緒に踊っているような錯覚に陥りました…その男こそバレエ界に革命を起こしたモーリス・ベジャールだったのです!!!!  不思議な感動の波が押し寄せて来て涙が溢れてとまらなかった。「この人に会いたい!」と強く心に念じました。

 美術大学2年生でアルバイト先生として教壇に立ち、卒業後も教師を続けながら三宅一生さんの仕事を手伝うようになり、素材開発、ニットデザイン、ショーや展覧会等の空間演出を担当…一生さんに喜ばれるままファッションの世界にのめり込んでいきました。

 そんなある日、突然、モーリス・ベジャール『カスタ・ディヴァ』の衣裳デザインをISSEY MIYAKE et TOMIO MOHRIですることになったのです。

 こんな早く憧れのモーリス・ベジャールに会えるとは…!!!! 1980年パリ・イルカム劇場で上演…マリア・カラスの歌、マリア・カザレスの朗読で中年役のモーリス・ベジャールが若いダンサーと入れ替わるという輪廻の世界が展開されました。僕はモーリス・ベジャールを赤い牡丹のイメージで表現しました。最初ベジャールは脚本・演出・振付だけの予定でしたが、この衣裳計画が気に入り、急遽自ら出演するというハプニングが起こりました。

西欧においてそれまでのバレエには全くなかった日本風の衣裳表現を『カスタ・ディヴァ』に取り入れたことで大きな話題を呼びました。

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