ワールドカフェ後の全体セッションでは、参加者から横本さんに多くの質問が寄せられました。
参加者:水素ステーションでは、何を燃料に水素をつくっているのですか?
横本さん:都市ガスや副生水素(ナトリウムなどをつくる工場で発生する電気分解できるもの)が使われています。北九州で行った実証実験では、製鉄所から取れる水素を活用しました。
参加者:水素は、ボンベで運ぶ以外に、パイプで大量に運ぶことはできないのでしょうか?
横本さん:技術的には可能で、コンビナートの中では、既に水素パイプラインがはりめぐらされています。ただし、一般の市街地にパイプラインを通すには、まだ、安全性などの課題が残されています。
参加者:水素エネルギーの競合は何ですか?
横本さん:エコでクリーンなエネルギーは、他にもたくさんあります。私の勤める国立研究開発法人新エネルギー産業技術総合開発機構(NEDO)では、水素エネルギーに限定せず、いろいろなエネルギーを上手に活用していくことを視野に入れて研究を進めています。皆さんが水素エネルギーに対して抱く印象や理解も、水素エネルギーの普及に影響を及ぼします。いろいろ学んだ上で、是非皆さん自身で考え、選んで欲しいと思います。
主催者J-POWERの藤木さん「水素エネルギーについて理解が深まった参加者が多く安心しました。ゲストの横本さんからお話を伺って、エネルギーの使い方にさらにバリエーションが広がる可能性を感じました」
緑のgooプロデューサー佐藤さん「水素エネルギーを作ることと使うこと、両方の話を聞いて、理解を深める時間になったことと思います。緑のgooに掲載するレポートも、是非振り返りにご活用ください」
今回、エコ×エネ・カフェに初めて参加した大学生の岡本さんからは「水素エネルギーの普及には、コスト面などまだまだ課題がありそうですが、今後、特性を上手に活かして社会的に広がっていく可能性を感じました」
山田さんからは「高校時代から廃棄物やエネルギーといった環境問題に関心がありました。たくさんの人と意見を交換することができて楽しかったです」という感想がありました。
最後に、横本さんから、メッセージをいただきました。
「水素は貯蔵し輸送することのできるクリーンなエネルギーとして、世界的にも注目されています。水素エネルギーの技術開発は、日本が世界のトップランナーです。国内生産もできるので、日本のエネルギー自給率向上にも貢献すると期待されています。是非皆さんに、水素エネルギーについての関心を持っていただきたいと思います」
次回のエコ×エネ・カフェは、秋に開催予定です。どうぞお楽しみに。